1-9:Prototype
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ヒロインと神羅。
天秤に掛けられたものはあまりに重かった。
ヒロインは守ってやりたい。
しかし、会社を裏切ることはできない。
「俺は――」
どちらも選べない。
レノは堪らず元新人ソルジャーから視線を外し、地面を見つめた。
「答えられませんか?レノさんにとってヒロインはその程度――なら、俺がヒロインを貰っても、構いませんよね」
含み笑いをした元新人ソルジャーの目付きが変わった。
一瞬にして張り詰めた空気を感じたルードがレノに警告する。
「来るぞ…レノ!」
ルードの声にはっとし、レノはロッドを構え直した。
が、すでにレノの懐に飛び込んでいた元新人ソルジャーの手刀が鳩尾に入る。
「くっ!」
反射的に後ろに飛んだため致命傷にはならなかったが、ダメージは大きい。
レノは倒れそうになりながらも、頭を振って必死にそれに耐えた。
「レノ、油断するな」
「あぁ、悪ぃな…」
確かに元新人ソルジャーに意識が向いていなかったとは言え、さすがにソルジャー1stだっただけあって動きが半端ではない。
ルードがファイルを隅に投げ、元新人ソルジャーと間合いを取った。
「任務にはないが、厄介事の芽は今摘んでおく」
元新人ソルジャーが不敵な笑みを浮かべた。
「できるならね」
そう言うや否や、元新人ソルジャーが一気に間合いを詰め、ルードに蹴りを放つ。
それを腕で受けたルードは、素早く元新人ソルジャーの足に手を伸ばす。
が、その動きを察した元新人ソルジャーが一瞬早く反転した。
「さすがタークスですね。でも、今日はこの辺で失礼します」
バングルに装着していた魔法マテリアをかざすと、元新人ソルジャーは忽然とその場から姿を消した。
「離脱マテリアか…逃げられたな」
ルードはそう呟くと、放り投げたファイルを取りに行った。
「くそっ」
ルードと元新人ソルジャーの戦いをただ見ていたレノは、地面に拳を叩きつけた。
――お前だってヒロインちゃんと会社天秤に掛けたら、ヒロインちゃん取るだろ
数日前、ザックスに言われた言葉が蘇る。
「俺は――」
選べなかった。
レノは頭を掻き毟った。
.
天秤に掛けられたものはあまりに重かった。
ヒロインは守ってやりたい。
しかし、会社を裏切ることはできない。
「俺は――」
どちらも選べない。
レノは堪らず元新人ソルジャーから視線を外し、地面を見つめた。
「答えられませんか?レノさんにとってヒロインはその程度――なら、俺がヒロインを貰っても、構いませんよね」
含み笑いをした元新人ソルジャーの目付きが変わった。
一瞬にして張り詰めた空気を感じたルードがレノに警告する。
「来るぞ…レノ!」
ルードの声にはっとし、レノはロッドを構え直した。
が、すでにレノの懐に飛び込んでいた元新人ソルジャーの手刀が鳩尾に入る。
「くっ!」
反射的に後ろに飛んだため致命傷にはならなかったが、ダメージは大きい。
レノは倒れそうになりながらも、頭を振って必死にそれに耐えた。
「レノ、油断するな」
「あぁ、悪ぃな…」
確かに元新人ソルジャーに意識が向いていなかったとは言え、さすがにソルジャー1stだっただけあって動きが半端ではない。
ルードがファイルを隅に投げ、元新人ソルジャーと間合いを取った。
「任務にはないが、厄介事の芽は今摘んでおく」
元新人ソルジャーが不敵な笑みを浮かべた。
「できるならね」
そう言うや否や、元新人ソルジャーが一気に間合いを詰め、ルードに蹴りを放つ。
それを腕で受けたルードは、素早く元新人ソルジャーの足に手を伸ばす。
が、その動きを察した元新人ソルジャーが一瞬早く反転した。
「さすがタークスですね。でも、今日はこの辺で失礼します」
バングルに装着していた魔法マテリアをかざすと、元新人ソルジャーは忽然とその場から姿を消した。
「離脱マテリアか…逃げられたな」
ルードはそう呟くと、放り投げたファイルを取りに行った。
「くそっ」
ルードと元新人ソルジャーの戦いをただ見ていたレノは、地面に拳を叩きつけた。
――お前だってヒロインちゃんと会社天秤に掛けたら、ヒロインちゃん取るだろ
数日前、ザックスに言われた言葉が蘇る。
「俺は――」
選べなかった。
レノは頭を掻き毟った。
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