1-9:Prototype
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レノたちがカームを通り過ぎた頃、出社したヒロインは、レノに借りたバイクを本社の地下駐車場に停めていた。
ふぅーっと一息ついたヒロインは、バイクのミラーを使って、風に煽られた髪を手櫛で梳かした。
元から癖のない髪はすぐに整った。
髪も直したところで、ヒロインはバイクにロックを掛け、鍵を抜いてエレベーターに向かおうとした。
その時。
突然激しくフラッシュがたかれたかのように視界が真っ白く染まった。
一瞬平行感覚を失ったヒロインは近くのバイクに掴まり、なんとか転倒を免れた。
しかし今度は、激しい頭痛に襲われ、ヒロインは立っていられず、思わずその場に膝をついた。
キリキリと締めつけるような痛みに、ヒロインの顔が苦痛に歪む。
――お前は……だ。
――……バはまだ眠ったままか?
脳に直接響く聞き覚えのある声。
昔どこかで――
必死に記憶を掘り起こそうと試みるが、一向に収まらない頭痛の方に意識が奪われる。
「っ!」
声は出すまいと歯を食い縛って耐えているうちに、少しずつ痛みも引いていった。
全身の力を抜き、大きく息をついたあと、ヒロインは短い呼吸を何度か繰り返した。
(さっきのは一体…?)
漸く思考を巡らす余裕ができ、さっき聞こえた声を反芻してみる。
はっきりとは聞き取れなかったが、確かに聞き覚えのある声。
「白の研究所…」
無意識のうちに口を突いて出た単語に、ヒロイン自身が驚いた。
白の研究所。
居酒屋で元新人ソルジャーが列挙したものの中に、その言葉があったことを思い出す。
ヒロインは、それが元新人ソルジャーに繋がることに不吉なものを感じた。
何かとても嫌なことが起こりそうで。
そんな不安を払い飛ばすかのようにヒロインは頭を激しく振り、逃げるようにその場を離れた。
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ふぅーっと一息ついたヒロインは、バイクのミラーを使って、風に煽られた髪を手櫛で梳かした。
元から癖のない髪はすぐに整った。
髪も直したところで、ヒロインはバイクにロックを掛け、鍵を抜いてエレベーターに向かおうとした。
その時。
突然激しくフラッシュがたかれたかのように視界が真っ白く染まった。
一瞬平行感覚を失ったヒロインは近くのバイクに掴まり、なんとか転倒を免れた。
しかし今度は、激しい頭痛に襲われ、ヒロインは立っていられず、思わずその場に膝をついた。
キリキリと締めつけるような痛みに、ヒロインの顔が苦痛に歪む。
――お前は……だ。
――……バはまだ眠ったままか?
脳に直接響く聞き覚えのある声。
昔どこかで――
必死に記憶を掘り起こそうと試みるが、一向に収まらない頭痛の方に意識が奪われる。
「っ!」
声は出すまいと歯を食い縛って耐えているうちに、少しずつ痛みも引いていった。
全身の力を抜き、大きく息をついたあと、ヒロインは短い呼吸を何度か繰り返した。
(さっきのは一体…?)
漸く思考を巡らす余裕ができ、さっき聞こえた声を反芻してみる。
はっきりとは聞き取れなかったが、確かに聞き覚えのある声。
「白の研究所…」
無意識のうちに口を突いて出た単語に、ヒロイン自身が驚いた。
白の研究所。
居酒屋で元新人ソルジャーが列挙したものの中に、その言葉があったことを思い出す。
ヒロインは、それが元新人ソルジャーに繋がることに不吉なものを感じた。
何かとても嫌なことが起こりそうで。
そんな不安を払い飛ばすかのようにヒロインは頭を激しく振り、逃げるようにその場を離れた。
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