1-9:Prototype
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出社時刻前のオフィスで任務内容について、ヴェルドから説明を受けたレノとルードの二人は、車でジュノンに向かっていた。
「極秘任務ねぇ…」
助手席を半分ほど倒し、タバコを吸いながらすっかり寛いでいたレノは、思い出したように呟いた。
今回の任務内容は一切他言無用。
書類を渡されることもなく、全て口頭で伝えられた。
表向きは『地方における反神羅組織の調査』となっているらしい。
実際の任務は、ニブル山中のとある研究所の調査。
数年前、レノが入社したての頃に一度任務で赴き、そのときに関連書類は全て本社に引き上げている。
特に極秘扱いする必要も感じられない任務内容に、レノは疑問を感じていた。
「なーんか変だぞ、と」
独りごちると、ルードも渋い顔をした。
「確かに、改めて調査する必要があるとは思えんな」
さらに、今回の任務が社長にすら秘密であるいうのも、レノにとっては腑に落ちない。
(何もなければいいんだけどな)
後ろにゆっくりと流れていく草原を眺めながら、レノは窓を開けて、煙を車外に吐き出した。
朝の冷たい空気が車内に流れ込む。
それを心地よく感じながらも、互いに何かすっきりしないものを抱えながら、車はチョコボファームを横切り、湿地帯に差し掛かろうとしていた。
ミスリルマインの手前に広がる湿地帯が近づくにつれ、湿った泥の匂いがきつくなってくる。
先程までの清々しい空気とは打って変わり、湿地帯独特の重い空気が気持ちをさらに沈んだものにする。
むっと眉間に深い皺を刻んだレノは、車の窓を閉めた。
「一雨来そうだな」
フロントガラスから空を見上げていたルードが言った。
レノもつられて同じように外を見ると、いつのまにか空には厚い灰色の雲が立ちこめていた。
ぽつ。
ぽつ。
最初は控えめに車に落ちてきていた雨粒は、次第に量と勢いを増し、激しく車を打った。
「本当に嫌な感じだぞ、と」
ぽつりと洩らしたレノの言葉は、雨音に掻き消された。
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「極秘任務ねぇ…」
助手席を半分ほど倒し、タバコを吸いながらすっかり寛いでいたレノは、思い出したように呟いた。
今回の任務内容は一切他言無用。
書類を渡されることもなく、全て口頭で伝えられた。
表向きは『地方における反神羅組織の調査』となっているらしい。
実際の任務は、ニブル山中のとある研究所の調査。
数年前、レノが入社したての頃に一度任務で赴き、そのときに関連書類は全て本社に引き上げている。
特に極秘扱いする必要も感じられない任務内容に、レノは疑問を感じていた。
「なーんか変だぞ、と」
独りごちると、ルードも渋い顔をした。
「確かに、改めて調査する必要があるとは思えんな」
さらに、今回の任務が社長にすら秘密であるいうのも、レノにとっては腑に落ちない。
(何もなければいいんだけどな)
後ろにゆっくりと流れていく草原を眺めながら、レノは窓を開けて、煙を車外に吐き出した。
朝の冷たい空気が車内に流れ込む。
それを心地よく感じながらも、互いに何かすっきりしないものを抱えながら、車はチョコボファームを横切り、湿地帯に差し掛かろうとしていた。
ミスリルマインの手前に広がる湿地帯が近づくにつれ、湿った泥の匂いがきつくなってくる。
先程までの清々しい空気とは打って変わり、湿地帯独特の重い空気が気持ちをさらに沈んだものにする。
むっと眉間に深い皺を刻んだレノは、車の窓を閉めた。
「一雨来そうだな」
フロントガラスから空を見上げていたルードが言った。
レノもつられて同じように外を見ると、いつのまにか空には厚い灰色の雲が立ちこめていた。
ぽつ。
ぽつ。
最初は控えめに車に落ちてきていた雨粒は、次第に量と勢いを増し、激しく車を打った。
「本当に嫌な感じだぞ、と」
ぽつりと洩らしたレノの言葉は、雨音に掻き消された。
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