1-7:Kill
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わずかに動いたヒロインの視線の先。
そこには。
レノたちが追っていた男の変わり果てた姿があった。
遠目から見てもわかるほどに、惨殺された死体にレノは顔をしかめた。
(まさか…本当にヒロインが?)
本人はそう言ったが、俄かには信じがたい。
とてもじゃないが、ヒロインにこんな残酷なことができるとは思えなかった。
だが、今の状態のヒロインはとても詳しい話ができる状態ではなさそうだ。
とにかく抹殺命令の出ていた男は死に、ヒロインは生きている。
レノは本部とツォンに報告し、一先ずヒロインを連れてこの場を離れることにした。
「ヒロイン、立てるか?」
「うん…」
血の気のない顔で小さく返事をしたヒロインは、差し出されたレノの手を取り、立ち上がろうと足を立てた。
なんとか立てたヒロインの身体が、案の定不安定に傾いだ。
心配して最後まで手を離さなかったレノは、慌てて腕を伸ばしてヒロインを支える。
「無理するなよ、と」
「ごめんなさい……やっぱり、ちょっと無理みたい…‥」
こんなときまで自分を頼らないヒロインにやきもきし、レノは一度小さく舌打ちするとヒロインを抱き上げた。
「ごめんなさい…」
「謝るなよ、と」
案外素直にレノに従ったことからして、ヒロインの衰弱は相当のもののようだ。
ことんと頭をレノの胸に預けたヒロインが、ほっと大きく息をついた。
幾分か和らいだヒロインの表情にレノも安心する。
「救護班が来ているはずだから、ちゃんと見てもらえよ」
「うん…」
ヒロインがわずかに頷いた。
「レノ…」
「ん、どうした?」
一度はレノを見上げ、口を動かしかけたヒロインだったが、頭を振って口をつぐんだ。
「何でもない…‥」
そう言うとヒロインは目を伏せ黙ってしまった。
レノは敢えて追求せず、ただ黙々と出口を目指した。
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そこには。
レノたちが追っていた男の変わり果てた姿があった。
遠目から見てもわかるほどに、惨殺された死体にレノは顔をしかめた。
(まさか…本当にヒロインが?)
本人はそう言ったが、俄かには信じがたい。
とてもじゃないが、ヒロインにこんな残酷なことができるとは思えなかった。
だが、今の状態のヒロインはとても詳しい話ができる状態ではなさそうだ。
とにかく抹殺命令の出ていた男は死に、ヒロインは生きている。
レノは本部とツォンに報告し、一先ずヒロインを連れてこの場を離れることにした。
「ヒロイン、立てるか?」
「うん…」
血の気のない顔で小さく返事をしたヒロインは、差し出されたレノの手を取り、立ち上がろうと足を立てた。
なんとか立てたヒロインの身体が、案の定不安定に傾いだ。
心配して最後まで手を離さなかったレノは、慌てて腕を伸ばしてヒロインを支える。
「無理するなよ、と」
「ごめんなさい……やっぱり、ちょっと無理みたい…‥」
こんなときまで自分を頼らないヒロインにやきもきし、レノは一度小さく舌打ちするとヒロインを抱き上げた。
「ごめんなさい…」
「謝るなよ、と」
案外素直にレノに従ったことからして、ヒロインの衰弱は相当のもののようだ。
ことんと頭をレノの胸に預けたヒロインが、ほっと大きく息をついた。
幾分か和らいだヒロインの表情にレノも安心する。
「救護班が来ているはずだから、ちゃんと見てもらえよ」
「うん…」
ヒロインがわずかに頷いた。
「レノ…」
「ん、どうした?」
一度はレノを見上げ、口を動かしかけたヒロインだったが、頭を振って口をつぐんだ。
「何でもない…‥」
そう言うとヒロインは目を伏せ黙ってしまった。
レノは敢えて追求せず、ただ黙々と出口を目指した。
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