1-7:Kill
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地下水路の入口に立ったレノは、そこに開けられた痕跡があることに気付いた。
「間違いなさそうだな、と」
予想どおり地下に逃げ込んだと分かり、レノはロッドを握る手に力を込めた。
地下水路に下り立った途端、嗅ぎ慣れた匂いがレノの鼻を刺激した。
生臭い血の匂い。
レノの鼻はかすかに漂う死臭さえも嗅ぎ分けた。
「ヒロイン…」
考えうる最悪の結末がレノの脳裏を過る。
ロッドを持つ手が震えた。
逸る気持ちを深呼吸をして無理矢理抑え、レノは先を急いだ。
濃くなる血臭を辿って着いた先は、袋小路だった。
点滅する薄暗い電球の明かりの中に浮かぶ人の姿。
見知ったその人が幽鬼のように生気がなく項垂れている様は、レノに最悪の結果を想像させる。
辺りに人の気配がないことを確認したレノは、その人に駆け寄り声を掛けた。
「ヒロイン!」
レノが声を掛けると、ヒロインは肩をびくっと震わせ顔を上げた。
「レノ…?」
余程恐ろしい思いをしたのか、青白い顔をしたヒロインはレノの姿を認めてからも怯えたように身体を震わせていた。
とにかくヒロインの生存を確認でき、ほっと胸を撫で下ろしたレノは緊張していた顔を緩ませ、ヒロインをその胸に抱いた。
「よかった…心配したんだぞ」
レノはヒロインをきつく抱き締めた。
触れたところから温もりが伝わり、やっとヒロインが生きていることを実感する。
レノはヒロインを安心させようと、その背をゆっくり撫でた。
「もう、大丈夫だぞ、と」
一度は頷いたものの、ヒロインの身体の震えは一向に収まらない。
ヒロインの顔を覗こうとしたとき、ヒロインの口がゆっくりと動いた。
「レノっ…私――」
レノの背に回されたヒロインの手に、ぎゅっと力が籠もった。
「人を、殺したの……」
.
「間違いなさそうだな、と」
予想どおり地下に逃げ込んだと分かり、レノはロッドを握る手に力を込めた。
地下水路に下り立った途端、嗅ぎ慣れた匂いがレノの鼻を刺激した。
生臭い血の匂い。
レノの鼻はかすかに漂う死臭さえも嗅ぎ分けた。
「ヒロイン…」
考えうる最悪の結末がレノの脳裏を過る。
ロッドを持つ手が震えた。
逸る気持ちを深呼吸をして無理矢理抑え、レノは先を急いだ。
濃くなる血臭を辿って着いた先は、袋小路だった。
点滅する薄暗い電球の明かりの中に浮かぶ人の姿。
見知ったその人が幽鬼のように生気がなく項垂れている様は、レノに最悪の結果を想像させる。
辺りに人の気配がないことを確認したレノは、その人に駆け寄り声を掛けた。
「ヒロイン!」
レノが声を掛けると、ヒロインは肩をびくっと震わせ顔を上げた。
「レノ…?」
余程恐ろしい思いをしたのか、青白い顔をしたヒロインはレノの姿を認めてからも怯えたように身体を震わせていた。
とにかくヒロインの生存を確認でき、ほっと胸を撫で下ろしたレノは緊張していた顔を緩ませ、ヒロインをその胸に抱いた。
「よかった…心配したんだぞ」
レノはヒロインをきつく抱き締めた。
触れたところから温もりが伝わり、やっとヒロインが生きていることを実感する。
レノはヒロインを安心させようと、その背をゆっくり撫でた。
「もう、大丈夫だぞ、と」
一度は頷いたものの、ヒロインの身体の震えは一向に収まらない。
ヒロインの顔を覗こうとしたとき、ヒロインの口がゆっくりと動いた。
「レノっ…私――」
レノの背に回されたヒロインの手に、ぎゅっと力が籠もった。
「人を、殺したの……」
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