1-7:Kill
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ヒロインは新人ソルジャーに拘束されたまま、8番街の地下水路にいた。
薄暗い地下水路をしばらく進み、袋小路になっている所に着くと、新人ソルジャーは無言でヒロインの腕を放した。
新人ソルジャーにきつく掴まれていた腕はまだ感覚がない。
ヒロインは右腕を庇いながら、素早く新人ソルジャーと距離を取った。
「ずいぶん嫌われたもんだ」
新人ソルジャーが大げさに肩を竦めた。
「目的は?」
ヒロインは険しい顔をして二人を牽制した。
頭では、どうやってこの窮地を脱するか必死に考える。
「愚問だね。迎えに来たんだよ、ヒロイン。俺と戻ろう」
新人ソルジャーは鼻で笑うと、ヒロインに手を差し伸べてきた。
新人ソルジャーの優しい顔の裏に潜む悪意に、ヒロインの身体は震えが止まらない。
強がって見せていた顔も、次第に不安げになっていく。
ゆっくりと一歩、また一歩と進み来る新人ソルジャーから逃げるように、ヒロインもじりじりと後退した。
「さぁ…」
いやいやと、ヒロインは首を振る。
ヒロインの背が壁に当たった。
新人ソルジャーが手を伸ばせば届く距離。
動けない――。
「いや…行かな――」
何とか絞り出した声は途中で擦れ、消えた。
ヒロインの顔には今、恐怖が浮かんでいた。
新人ソルジャーが、ヒロインの顔の真横に両手を付いた。
膝から力が抜け、がくんと糸が切れたようにヒロインはその場に崩折れた。
新人ソルジャーがヒロインの顔の高さにしゃがみこみ、にやっと口の端を吊り上げ笑った。
そして、耳元で何か囁かれた途端、ヒロインの意識はそこで途切れた。
目を細めて笑った新人ソルジャーの顔が、目に焼き付いた。
今まで放っておいた男が逃げようとしている気配を感じ取り、新人ソルジャーは男に背を向けたまま言った。
「まだ、君にはやることが残ってる。――ヒロイン覚醒の生贄になってもらうよ」
新人ソルジャーは妖しく笑った。
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薄暗い地下水路をしばらく進み、袋小路になっている所に着くと、新人ソルジャーは無言でヒロインの腕を放した。
新人ソルジャーにきつく掴まれていた腕はまだ感覚がない。
ヒロインは右腕を庇いながら、素早く新人ソルジャーと距離を取った。
「ずいぶん嫌われたもんだ」
新人ソルジャーが大げさに肩を竦めた。
「目的は?」
ヒロインは険しい顔をして二人を牽制した。
頭では、どうやってこの窮地を脱するか必死に考える。
「愚問だね。迎えに来たんだよ、ヒロイン。俺と戻ろう」
新人ソルジャーは鼻で笑うと、ヒロインに手を差し伸べてきた。
新人ソルジャーの優しい顔の裏に潜む悪意に、ヒロインの身体は震えが止まらない。
強がって見せていた顔も、次第に不安げになっていく。
ゆっくりと一歩、また一歩と進み来る新人ソルジャーから逃げるように、ヒロインもじりじりと後退した。
「さぁ…」
いやいやと、ヒロインは首を振る。
ヒロインの背が壁に当たった。
新人ソルジャーが手を伸ばせば届く距離。
動けない――。
「いや…行かな――」
何とか絞り出した声は途中で擦れ、消えた。
ヒロインの顔には今、恐怖が浮かんでいた。
新人ソルジャーが、ヒロインの顔の真横に両手を付いた。
膝から力が抜け、がくんと糸が切れたようにヒロインはその場に崩折れた。
新人ソルジャーがヒロインの顔の高さにしゃがみこみ、にやっと口の端を吊り上げ笑った。
そして、耳元で何か囁かれた途端、ヒロインの意識はそこで途切れた。
目を細めて笑った新人ソルジャーの顔が、目に焼き付いた。
今まで放っておいた男が逃げようとしている気配を感じ取り、新人ソルジャーは男に背を向けたまま言った。
「まだ、君にはやることが残ってる。――ヒロイン覚醒の生贄になってもらうよ」
新人ソルジャーは妖しく笑った。
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