ヒロインは８番街ステーションに降り立った。




　駅舎を出ると、午後の暖かい日差しが降り注ぐ。



　手を目の上にかざして、少しだけ日差しを遮ると辺りを見回した。




　タークスなんかと極力関わり合いになりたくない街の人は、一切こちらを見ない。



　仕事をするにはその方が好都合だと思い、ヒロインはさして気にも留めなかった。





　駅舎を離れ、予定ポイントに着いたヒロインは、スーツのポケットから携帯を取り出し、ヒロインは本部に連絡を入れる。



「ヒロインです。予定ポイントに到着しました。今から任務に掛かります」



『何かあったらすぐに連絡するんだぞ』



　あまりに過保護なツォンに、ヒロインは思わず苦笑する。



「ありがとうございます」



　ツォンの好意をありがたく受け取って、ヒロインは電話を切った。





「よし、初任務開始！」




　ヒロインは自分を奮い立たせ、任務に就いた。




















「ふぁぁ～あ…退屈ねぇ」



　ヒロインは８番街を散歩でもしているような気分で歩いていた。



　降り注ぐ太陽がぽかぽかと身体を温めてくれて気持ちいい。



　緊張感の欠片もなく、欠伸を噛み殺しながらふらふらと警備とは名ばかりの散歩を楽しんでいた。






　プレート上はきちんと区画整理されているため、怪しい場所などないに等しい。



　要所には監視カメラも設置されている。



　そんな理由もあって油断しきっていたヒロインの携帯が鳴った。





　トゥルルル――





　携帯を取り出そうとしたヒロインは、その動きを止めた。



　トゥルルル――




（誰かいる…）




　ヒロインは唾を飲み、ゆっくりと腰の銃に手を伸ばし、同時に携帯も取り出した。




「はい、ヒロイン――」






　パーーン！







　乾いた銃声が、響き渡った。



To be continued...


2005/12/06


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