1-6:First
ヒロイン
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「あの…報告が……」
入口周辺で作業をしていた一般兵が恐る恐る話し掛けてきた。
「…どうした?」
予定になかった残業のせいで、意識せずともレノの眉間に皺が寄る。
一瞬、一般兵がびくっと肩を震わせたが、そんなことにいちいち構ってられない。
早く言うように促すと、一般兵が怖ず怖ずと口を開いた。
「あの、逃げた幹部ですが、もしかしたらディスク受け取りの作戦時に、邪魔をした男かと思うんですが…」
ぴくっと、レノの眉が動いた。
(一昨日追い掛けられてるように見えたのは――)
見えたのではなく、事実追い掛けられていた?
「おいお前、幹部の死体を見せるから、その中にその男がいるか確認しろ」
レノは一般兵を連れて中に入り、シートをめくって死体を見せた。
うっと唸った一般兵が口元に手を当てる。
そして、しばらくして首を振ると慌てて外に走って行った。
「やっぱりか…」
その後写真でも確認したが、ヒロインを襲った男は逃げた幹部と見て間違いない。
問題はその行方だが。
「レノ、何かわかったのか?」
報告を終えたルードが外に出てきた。
「いや…手がかりなしだぞ、と」
レノは手近な所に座り込んでタバコに火を点けた。
「あの日から行方不明らしい。他の組織に逃げ込んだかもしれないな」
お手上げだと、ルードは溜息をついた。
「この組織に横の繋がりはなかったはずだぞ、と。他の組織に逃げ込むには『手土産』がいるだろ」
自分で言ったことにはっとして、レノは口に挟んでいたタバコを落とした。
「まさか…ヒロインを?」
詰めが甘かったと、レノはほぞを噛んだ。
その男がヒロインを執拗に追っているのは――
「ヒロインが危ない!」
.
入口周辺で作業をしていた一般兵が恐る恐る話し掛けてきた。
「…どうした?」
予定になかった残業のせいで、意識せずともレノの眉間に皺が寄る。
一瞬、一般兵がびくっと肩を震わせたが、そんなことにいちいち構ってられない。
早く言うように促すと、一般兵が怖ず怖ずと口を開いた。
「あの、逃げた幹部ですが、もしかしたらディスク受け取りの作戦時に、邪魔をした男かと思うんですが…」
ぴくっと、レノの眉が動いた。
(一昨日追い掛けられてるように見えたのは――)
見えたのではなく、事実追い掛けられていた?
「おいお前、幹部の死体を見せるから、その中にその男がいるか確認しろ」
レノは一般兵を連れて中に入り、シートをめくって死体を見せた。
うっと唸った一般兵が口元に手を当てる。
そして、しばらくして首を振ると慌てて外に走って行った。
「やっぱりか…」
その後写真でも確認したが、ヒロインを襲った男は逃げた幹部と見て間違いない。
問題はその行方だが。
「レノ、何かわかったのか?」
報告を終えたルードが外に出てきた。
「いや…手がかりなしだぞ、と」
レノは手近な所に座り込んでタバコに火を点けた。
「あの日から行方不明らしい。他の組織に逃げ込んだかもしれないな」
お手上げだと、ルードは溜息をついた。
「この組織に横の繋がりはなかったはずだぞ、と。他の組織に逃げ込むには『手土産』がいるだろ」
自分で言ったことにはっとして、レノは口に挟んでいたタバコを落とした。
「まさか…ヒロインを?」
詰めが甘かったと、レノはほぞを噛んだ。
その男がヒロインを執拗に追っているのは――
「ヒロインが危ない!」
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