1-6:First
ヒロイン
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ついに来た!と、レノは身を固くした。
自分が聞かれなくてほっとした反面、何を言うかわからないヒロインに不安も感じる。
ヒロインが言えば反対はするだろうが、怒り狂うことはないだろう。
が。
(結局何か言われるんだろうな…)
どう転んでも事態は好転しないことを悟り、レノは左手で額を押さえて小さく溜息をついた。
「あ、住む所ですか?私…」
(頼むから下手なこと言うなよ…)
祈るようにレノはヒロインの背中を見つめる。
挙動不振な相棒を、ルードがファイルから顔を上げ訝しげに見た。
「…よく考えたんですけど、レノと住むことにしました」
ヒロインの仰天発言に、ツォンを始めとするタークス全員が目を丸くし、凍りついた。
ルードですら、サングラスに隠れた目を大きく見開いていた。
「(あの子とレノさん、やっぱりそういう関係なの?)」
「(折角可愛い新人の女の子が入ったと思ったのに…!レノの野郎…!!)」
「(相変わらずレノ先輩は手が早いことで)」
などなど。
オフィス内で繰り広げられるひそひそ話に、レノは頭痛を覚えた。
問題発言の主はやっと事の重大さに気付き、両手を忙しなく動かして慌てて弁明し始める。
「あ、その!違うんです!そういう意味じゃなくて…えっと…私いつも一人だったんで、誰かと一緒に住んでみたいなと思って。レノの所はちょうど一部屋余ってるみたいですし」
それがヒロインの本心かどうかはわからなかったが、当たり障りのない理由にレノはほっとする。
(とりあえず、嫌味ぐらいで済みそうだな)
「ま、まぁ…ヒロインが決めたことなら仕方ないな」
「ありがとうございます」
許しを得られてヒロインもほっとして、表情を和らげた。
まるで父娘のような二人のやりとりを見ていたレノは、殺気を顕にしたツォンの視線を受けたが、平然と無視を決め込んだ。
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自分が聞かれなくてほっとした反面、何を言うかわからないヒロインに不安も感じる。
ヒロインが言えば反対はするだろうが、怒り狂うことはないだろう。
が。
(結局何か言われるんだろうな…)
どう転んでも事態は好転しないことを悟り、レノは左手で額を押さえて小さく溜息をついた。
「あ、住む所ですか?私…」
(頼むから下手なこと言うなよ…)
祈るようにレノはヒロインの背中を見つめる。
挙動不振な相棒を、ルードがファイルから顔を上げ訝しげに見た。
「…よく考えたんですけど、レノと住むことにしました」
ヒロインの仰天発言に、ツォンを始めとするタークス全員が目を丸くし、凍りついた。
ルードですら、サングラスに隠れた目を大きく見開いていた。
「(あの子とレノさん、やっぱりそういう関係なの?)」
「(折角可愛い新人の女の子が入ったと思ったのに…!レノの野郎…!!)」
「(相変わらずレノ先輩は手が早いことで)」
などなど。
オフィス内で繰り広げられるひそひそ話に、レノは頭痛を覚えた。
問題発言の主はやっと事の重大さに気付き、両手を忙しなく動かして慌てて弁明し始める。
「あ、その!違うんです!そういう意味じゃなくて…えっと…私いつも一人だったんで、誰かと一緒に住んでみたいなと思って。レノの所はちょうど一部屋余ってるみたいですし」
それがヒロインの本心かどうかはわからなかったが、当たり障りのない理由にレノはほっとする。
(とりあえず、嫌味ぐらいで済みそうだな)
「ま、まぁ…ヒロインが決めたことなら仕方ないな」
「ありがとうございます」
許しを得られてヒロインもほっとして、表情を和らげた。
まるで父娘のような二人のやりとりを見ていたレノは、殺気を顕にしたツォンの視線を受けたが、平然と無視を決め込んだ。
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