1-6:First
ヒロイン
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「はぁ…緊張してきた」
先程までの元気はどこへやら。
オフィスに近づくにつれてヒロインの口数は減っていき、ついには黙り込んでしまった。
入口の前に立ってドアノブに手を掛けては止め、深呼吸を繰り返すこと十数回。
初めはころころ表情の変わるヒロインを面白がって、後ろで笑いを必死にこらえていたレノだったが、さすがに痺れを切らした。
「さっさと入れよ、と。そら」
ガチャッ。
レノはヒロインの後ろから手を伸ばし、オフィス入口のドアを開け放った。
そして、トンと軽くヒロインの背中を押してやる。
「あっ!!」
間抜けな声を上げて、つんのめりながらオフィスに入ってしまったヒロインを見て、レノは腹を抱えて笑った。
しかし、さすがに腹を立てたのか、態勢を立て直したヒロインが勢い良く振り返ってレノに詰め寄る。
「ちょっと!何するのよ!」
眉を吊り上げ、今まで見たことのない顔をして怒るヒロインに、レノは両手を上げて降参のポーズを取った。
「そんなに怒るなよ、と。皆見てるぞ」
にやにや意地悪く笑いながら、レノはヒロインの背後を指差した。
ヒロインが弾かれたように振り返ると、そこには。
呆気に取られているタークスの面々。
ぼっと一瞬にしてヒロインの顔が赤くなった。
俯いて、見ていて可哀想なぐらい身体を小さくするヒロインを慰めたりすることもなく、ただ肩をぽんと軽く叩いて、レノは自分の席についた。
ヒロインの恨めしそうな視線と射殺すようなツォンの視線を受けても涼しい顔をして。
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先程までの元気はどこへやら。
オフィスに近づくにつれてヒロインの口数は減っていき、ついには黙り込んでしまった。
入口の前に立ってドアノブに手を掛けては止め、深呼吸を繰り返すこと十数回。
初めはころころ表情の変わるヒロインを面白がって、後ろで笑いを必死にこらえていたレノだったが、さすがに痺れを切らした。
「さっさと入れよ、と。そら」
ガチャッ。
レノはヒロインの後ろから手を伸ばし、オフィス入口のドアを開け放った。
そして、トンと軽くヒロインの背中を押してやる。
「あっ!!」
間抜けな声を上げて、つんのめりながらオフィスに入ってしまったヒロインを見て、レノは腹を抱えて笑った。
しかし、さすがに腹を立てたのか、態勢を立て直したヒロインが勢い良く振り返ってレノに詰め寄る。
「ちょっと!何するのよ!」
眉を吊り上げ、今まで見たことのない顔をして怒るヒロインに、レノは両手を上げて降参のポーズを取った。
「そんなに怒るなよ、と。皆見てるぞ」
にやにや意地悪く笑いながら、レノはヒロインの背後を指差した。
ヒロインが弾かれたように振り返ると、そこには。
呆気に取られているタークスの面々。
ぼっと一瞬にしてヒロインの顔が赤くなった。
俯いて、見ていて可哀想なぐらい身体を小さくするヒロインを慰めたりすることもなく、ただ肩をぽんと軽く叩いて、レノは自分の席についた。
ヒロインの恨めしそうな視線と射殺すようなツォンの視線を受けても涼しい顔をして。
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