1-6:First
ヒロイン
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アクセル全開でミッドガルの街を疾走するバイク。
スピードに応じたギアの上げ下げは巧みで、車体の扱いも上手い。
レノはヒロインの運転技術に舌を巻いた。
確かに、自分で上手いと言うのも頷ける。
――が。
(し、死ぬ!!)
無理な擦り抜けや追越し、信号無視、車を煽る…などなど。
上手いが荒いヒロインの運転のせいで、何度振り落とされそうになったか、思い出すだけで背筋が凍る。
本社の地下駐車場に着く頃には、タンデムバーを力一杯握り締めていた手が硬直していた。
「あー楽しかった!」
やたらすっきりした表情のヒロインに対し、レノの顔は青白い。
(もうヒロインにバイクを貸すのは止めよう…)
バクバク大きな鼓動を刻む心臓を落ち着かせるため、レノは深呼吸をした。
「レノ、はい、これ。本当に久しぶりで楽しかったわ。ありがとう」
ヒロインに笑顔でゴーグルを返されたレノは、若干ふらつく足元を悟られないように力を入れ、強がって見せた。
「あぁ…」
ヒロインからゴーグルを受け取ったレノは、バイクのミラーに自分の顔を映して装着しなおした。
簡単に髪もセットする。
「またバイク貸してね」
軽く首を傾げて笑ったヒロインがもう一方のミラーに映り、レノの手が止まる。
一瞬強ばった顔から無理矢理いつもの澄ました表情を作り、振り返ってヒロインに笑いかける。
「あぁ…とりあえず帰りは俺の後ろ乗せてやるぞ、と」
「本当!?」
「女乗せるのは初めてだけどな」
「え…何か意外ね」
目を丸くするヒロインにレノが苦笑する。
「そうか?」
「えぇ。レノって、すごく遊んでるイメージあるから」
「……」
さらりと失礼なことを口にされ、少しレノは傷つく。
しかし、事実当たっているので下手に反論もできない。
「あ、図星?」
からかってくるヒロインにレノは口を尖らせた。
「ほら、もう行くぞ!」
「はーい」
笑いを噛み殺しているヒロインを軽く睨んで、レノはさっさとエレベーターに向かった。
何とか話を逸らすことに成功し、内心ほっとして。
.
スピードに応じたギアの上げ下げは巧みで、車体の扱いも上手い。
レノはヒロインの運転技術に舌を巻いた。
確かに、自分で上手いと言うのも頷ける。
――が。
(し、死ぬ!!)
無理な擦り抜けや追越し、信号無視、車を煽る…などなど。
上手いが荒いヒロインの運転のせいで、何度振り落とされそうになったか、思い出すだけで背筋が凍る。
本社の地下駐車場に着く頃には、タンデムバーを力一杯握り締めていた手が硬直していた。
「あー楽しかった!」
やたらすっきりした表情のヒロインに対し、レノの顔は青白い。
(もうヒロインにバイクを貸すのは止めよう…)
バクバク大きな鼓動を刻む心臓を落ち着かせるため、レノは深呼吸をした。
「レノ、はい、これ。本当に久しぶりで楽しかったわ。ありがとう」
ヒロインに笑顔でゴーグルを返されたレノは、若干ふらつく足元を悟られないように力を入れ、強がって見せた。
「あぁ…」
ヒロインからゴーグルを受け取ったレノは、バイクのミラーに自分の顔を映して装着しなおした。
簡単に髪もセットする。
「またバイク貸してね」
軽く首を傾げて笑ったヒロインがもう一方のミラーに映り、レノの手が止まる。
一瞬強ばった顔から無理矢理いつもの澄ました表情を作り、振り返ってヒロインに笑いかける。
「あぁ…とりあえず帰りは俺の後ろ乗せてやるぞ、と」
「本当!?」
「女乗せるのは初めてだけどな」
「え…何か意外ね」
目を丸くするヒロインにレノが苦笑する。
「そうか?」
「えぇ。レノって、すごく遊んでるイメージあるから」
「……」
さらりと失礼なことを口にされ、少しレノは傷つく。
しかし、事実当たっているので下手に反論もできない。
「あ、図星?」
からかってくるヒロインにレノは口を尖らせた。
「ほら、もう行くぞ!」
「はーい」
笑いを噛み殺しているヒロインを軽く睨んで、レノはさっさとエレベーターに向かった。
何とか話を逸らすことに成功し、内心ほっとして。
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