1-6:First
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
レノが浴室につながる扉の先に消えると、ヒロインは両頬を押さえた。
「このままじゃ…」
ぼそっと独りごちると、ヒロインはさらに頬を紅潮させ、困ったように視線を彷徨わせた。
――レノのこと、好きになってしまう
ヒロインは自分の変化に戸惑っていた。
16歳から闇の中で生きてきて、誰かを愛したことなんてなかった。
誰かから愛されたこともなかった。
求められたのは身体だけ。
心は、必要なかった。
これからも必要ないと思っていたのに。
レノはすぐに心の中に入り込んできて、ヒロインの中に居場所を作った。
それはとても心地よいもので、いつになくヒロインを穏やかにさせた。
気が付いたらあっという間に心を奪われていて。
「私、レノのこと好…」
「俺がどうかしたか?」
「きゃっ!」
突然背後から聞こえてきたレノの声に、ヒロインは飛び上がりそうになるほど驚いた。
恐る恐る振り向くと、髪を洗ったのか雫を滴らせているレノが目を丸くしていた。
明らかに不自然な態度をとってしまったヒロインは、何とか取り繕うとレノの方へ向き直った。
「あ、その…あ!ご飯!ご飯食べよ!」
引きつった笑みを浮かべるヒロインに怪訝そうな顔をしながら、レノは席についた。
一方ヒロインは、何も聞かれなかったことにほっと胸を撫で下ろし、深呼吸を一つしてテーブルに料理を並べ始めた。
「おっ、美味そう!」
少年のように目を輝かせているレノに、ヒロインは嬉しくなって笑った。
自分の中に芽生え始めたレノへの感情は、胸の内にそっとしまった。
.
「このままじゃ…」
ぼそっと独りごちると、ヒロインはさらに頬を紅潮させ、困ったように視線を彷徨わせた。
――レノのこと、好きになってしまう
ヒロインは自分の変化に戸惑っていた。
16歳から闇の中で生きてきて、誰かを愛したことなんてなかった。
誰かから愛されたこともなかった。
求められたのは身体だけ。
心は、必要なかった。
これからも必要ないと思っていたのに。
レノはすぐに心の中に入り込んできて、ヒロインの中に居場所を作った。
それはとても心地よいもので、いつになくヒロインを穏やかにさせた。
気が付いたらあっという間に心を奪われていて。
「私、レノのこと好…」
「俺がどうかしたか?」
「きゃっ!」
突然背後から聞こえてきたレノの声に、ヒロインは飛び上がりそうになるほど驚いた。
恐る恐る振り向くと、髪を洗ったのか雫を滴らせているレノが目を丸くしていた。
明らかに不自然な態度をとってしまったヒロインは、何とか取り繕うとレノの方へ向き直った。
「あ、その…あ!ご飯!ご飯食べよ!」
引きつった笑みを浮かべるヒロインに怪訝そうな顔をしながら、レノは席についた。
一方ヒロインは、何も聞かれなかったことにほっと胸を撫で下ろし、深呼吸を一つしてテーブルに料理を並べ始めた。
「おっ、美味そう!」
少年のように目を輝かせているレノに、ヒロインは嬉しくなって笑った。
自分の中に芽生え始めたレノへの感情は、胸の内にそっとしまった。
.