3-5:内緒の時間
ヒロイン
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ばらばらに帰宅するタークスの面々の夕食の準備とその後始末をようやく終え、ヒロインはダイニングで一人お茶を飲んでいた。以前、ティファから分けてもらったハーブティーだ。そこに少しだけブランデーを垂らし、一人でゆっくりと過ごすのが最近のヒロインの楽しみになっていた。
ブランデーの存在はレノには秘密だ。あるとわかれば、あっという間に飲まれてしまう。そういう理由で誰も開けない戸棚の奥にヒロインはブランデーを隠していた。
ヒロインは一口お茶を飲み、ほうっと息をついた。ハーブとブランデーがほどよく混ざり合い、身体の芯から温まっていく。皆、各々の部屋で過ごしているのか、屋敷の中は静かだった。この静寂が心地よい。
だが、その穏やかな時間は一瞬。バタバタと慌ただしい足音とともに、レノがダイニングにやってきた。
「なぁ、ヒロイン。オレの新しいパンツ知らね?」
下こそスウェットを履いているものの、上半身は裸でその引き締まった身体を惜しげもなく披露していた。見慣れた身体ではあるが、明るいライトの下で見ると、より均整がとれているのがわかる。ほんの少しだけ見とれていると、レノが意地の悪い笑みを浮かべた。
「おや?もしかして、見とれてるとか?」
レノの言ったことは事実だったが、負けず嫌いのヒロインはそれを認めるのが悔しくて、ぷいっと横を向いてレノから視線を外した。そして、少しだけ言葉に怒りを乗せた。
「だらしない格好で共用部をうろうろしないって約束でしょ!」
「いいだろー。誰もいないんだし…って、美味そうだなそれ」
ヒロインが制止する暇さえなく、大股で近寄ってきたレノがカップを持ち、傾けた。それなりに冷ましてはいたが、お茶を飲むにはふさわしくないほど豪快に、レノの喉がごくりと鳴った。
「ちょっと!」
「これ…ブランデーか?」
そのまま知らぬふりをすればよかったものを、ヒロインはしまったと、表情に出してしまった。それがレノに確信を与える。
「昨日、エッチのときに舌入れたとき、ブランデーの風味を感じたのは気のせいじゃなかったってことか」
久しぶりにレノと身体を重ねた昨日の夜のことを思い出し、ヒロインは耳まで赤くなった。
「ちょっと味見させてくれよ、と」
気づけば、レノの舌が口内を優しくなぞっている。拒むことなど考えられないほどの流れるような動作で唇を奪われ、ヒロインは抵抗もせずにレノの愛撫を受け入れた。少し息が苦しくなると同時に、身体が疼き始める。それをわかっているような絶妙なタイミングでレノがヒロインから離れた。
「ん、昨日と同じだな」
にやりと笑ってそれだけ言うと、レノはお茶を飲み干してダイニングを出ていった。
「…下着のこと、聞きに来たんじゃなかったの?」
ヒロインは飲み干されたカップを見て、もう一杯入れ直すか考えたが、結局はカップを洗ってダイニングの電気を消した。
きっとレノはヒロインがそうすることも予測済みだろう。手のひらの上で転がされているのは悔しいが、この際挑発に乗るのも仕方ないと思うぐらい、ヒロインの身体はレノを求めていた。
ただ、このままでは少し腹立たしい。せめて、新しい下着をレノに思い切り投げつけてやろうと、ヒロインはレノの部屋に向かいながら決意した。
ちょうどレノの少しあとにダイニング入ろうとしていたイリーナは、二人がいることに気づいてダイニングの外から様子を伺っていた。昔は大袈裟なまでにヒロインは恥ずかしがっていたが、今ではそれも鳴りを潜め、随分とレノとの関係に慣れてきているようだった。それを嬉しく思いつつも、見ている方が恥ずかしいので、やはりある程度は自重してほしいと思ったイリーナだった。
To be continued...
2021/10/01
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ブランデーの存在はレノには秘密だ。あるとわかれば、あっという間に飲まれてしまう。そういう理由で誰も開けない戸棚の奥にヒロインはブランデーを隠していた。
ヒロインは一口お茶を飲み、ほうっと息をついた。ハーブとブランデーがほどよく混ざり合い、身体の芯から温まっていく。皆、各々の部屋で過ごしているのか、屋敷の中は静かだった。この静寂が心地よい。
だが、その穏やかな時間は一瞬。バタバタと慌ただしい足音とともに、レノがダイニングにやってきた。
「なぁ、ヒロイン。オレの新しいパンツ知らね?」
下こそスウェットを履いているものの、上半身は裸でその引き締まった身体を惜しげもなく披露していた。見慣れた身体ではあるが、明るいライトの下で見ると、より均整がとれているのがわかる。ほんの少しだけ見とれていると、レノが意地の悪い笑みを浮かべた。
「おや?もしかして、見とれてるとか?」
レノの言ったことは事実だったが、負けず嫌いのヒロインはそれを認めるのが悔しくて、ぷいっと横を向いてレノから視線を外した。そして、少しだけ言葉に怒りを乗せた。
「だらしない格好で共用部をうろうろしないって約束でしょ!」
「いいだろー。誰もいないんだし…って、美味そうだなそれ」
ヒロインが制止する暇さえなく、大股で近寄ってきたレノがカップを持ち、傾けた。それなりに冷ましてはいたが、お茶を飲むにはふさわしくないほど豪快に、レノの喉がごくりと鳴った。
「ちょっと!」
「これ…ブランデーか?」
そのまま知らぬふりをすればよかったものを、ヒロインはしまったと、表情に出してしまった。それがレノに確信を与える。
「昨日、エッチのときに舌入れたとき、ブランデーの風味を感じたのは気のせいじゃなかったってことか」
久しぶりにレノと身体を重ねた昨日の夜のことを思い出し、ヒロインは耳まで赤くなった。
「ちょっと味見させてくれよ、と」
気づけば、レノの舌が口内を優しくなぞっている。拒むことなど考えられないほどの流れるような動作で唇を奪われ、ヒロインは抵抗もせずにレノの愛撫を受け入れた。少し息が苦しくなると同時に、身体が疼き始める。それをわかっているような絶妙なタイミングでレノがヒロインから離れた。
「ん、昨日と同じだな」
にやりと笑ってそれだけ言うと、レノはお茶を飲み干してダイニングを出ていった。
「…下着のこと、聞きに来たんじゃなかったの?」
ヒロインは飲み干されたカップを見て、もう一杯入れ直すか考えたが、結局はカップを洗ってダイニングの電気を消した。
きっとレノはヒロインがそうすることも予測済みだろう。手のひらの上で転がされているのは悔しいが、この際挑発に乗るのも仕方ないと思うぐらい、ヒロインの身体はレノを求めていた。
ただ、このままでは少し腹立たしい。せめて、新しい下着をレノに思い切り投げつけてやろうと、ヒロインはレノの部屋に向かいながら決意した。
ちょうどレノの少しあとにダイニング入ろうとしていたイリーナは、二人がいることに気づいてダイニングの外から様子を伺っていた。昔は大袈裟なまでにヒロインは恥ずかしがっていたが、今ではそれも鳴りを潜め、随分とレノとの関係に慣れてきているようだった。それを嬉しく思いつつも、見ている方が恥ずかしいので、やはりある程度は自重してほしいと思ったイリーナだった。
To be continued...
2021/10/01
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