3-5:内緒の時間
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
イリーナとヒロインが初めて会ったのはミスリルマインだった。
クラウド一味の暗い女。
それがイリーナのヒロインに対する第一印象だった。
先輩のレノから彼女が元タークスで、レノと恋仲にあったと聞いても親近感が湧くことなどなかったし、古代種の神殿に一緒に向かったときも、いけ好かない女としか思わなかった。
そんなヒロインが、あの戦いの後、レノに連れられてタークスの元にやってきた。
みんなは当然、ヒロインを歓迎した。
しかし、イリーナは極力ヒロインを避けた。どう接したらいいかわからなかったのもあるが、何よりヒロインが嫌いだった。自分が知らない昔のタークスを知っていること、何より尊敬する上司のツォンと親しげだったからだ。今思えば、それは子供のような嫉妬だったのだが。
幸い、情報収集で各地を飛び回ったり、社長の捜索で忙しく、ヒロインと会うことはほとんどなかった。帰るのは深夜ばかり。ヒロインはセフィロスに殺されかけたせいで身体が弱っており、イリーナが帰る頃にはいつも就寝していた。
だから、その日も当然ヒロインに会うことはないだろうと思って、拠点としている伍番街の社宅に疲れた身体を引きずって戻った。
「ただいま戻りました」
「おかえり、イリーナ」
迎えてくれたヒロインの声を聞き、イリーナはその場で固まった。
不意打ちだった。
「なぁにぼけっとしてんだよ、と。いいからお前も飲め!」
レノが帰ってきたばかりのイリーナの腕を引っ張って席につかせると、あまり綺麗とは言えないグラスに並々と酒を注いだ。
「先輩、お酒臭いです…」
イリーナはうっと息を詰まらせた。
「ちょっとレノ、飲みすぎ!」
ヒロインがレノから酒瓶を取り上げた。
「んだよ、ヒロイン。たまにはいいだろ~」
にやりと笑ったレノはヒロインに抱きつくと、ヒロインの身体を撫で回し始めた。
レノとヒロインの恋人同士らしい行為を目の当たりにしたイリーナは、顔が赤くなるのを感じた。
「いい加減に…!」
ヒロインの眉が吊り上がった。
「ごめん、イリーナ。思い切りやっちゃって」
目が据わっている。
逆らう気など一切起きない迫力だった。イリーナはこくこくと何度も首を縦に振ると、レノを殴って気絶させた。
「まったく…こんな酒癖悪いなんて!」
気絶したレノを振りほどくと、ヒロインはレノが先程イリーナの前に置いたグラスを手に取り、中身を一気に飲み干した。
これにはイリーナが目を剥く。
「あの、そんな一気に…」
「あ、ごめん。思わず飲んじゃった…」
そういうことじゃないんだけど。
イリーナは溜息をついた。
.
クラウド一味の暗い女。
それがイリーナのヒロインに対する第一印象だった。
先輩のレノから彼女が元タークスで、レノと恋仲にあったと聞いても親近感が湧くことなどなかったし、古代種の神殿に一緒に向かったときも、いけ好かない女としか思わなかった。
そんなヒロインが、あの戦いの後、レノに連れられてタークスの元にやってきた。
みんなは当然、ヒロインを歓迎した。
しかし、イリーナは極力ヒロインを避けた。どう接したらいいかわからなかったのもあるが、何よりヒロインが嫌いだった。自分が知らない昔のタークスを知っていること、何より尊敬する上司のツォンと親しげだったからだ。今思えば、それは子供のような嫉妬だったのだが。
幸い、情報収集で各地を飛び回ったり、社長の捜索で忙しく、ヒロインと会うことはほとんどなかった。帰るのは深夜ばかり。ヒロインはセフィロスに殺されかけたせいで身体が弱っており、イリーナが帰る頃にはいつも就寝していた。
だから、その日も当然ヒロインに会うことはないだろうと思って、拠点としている伍番街の社宅に疲れた身体を引きずって戻った。
「ただいま戻りました」
「おかえり、イリーナ」
迎えてくれたヒロインの声を聞き、イリーナはその場で固まった。
不意打ちだった。
「なぁにぼけっとしてんだよ、と。いいからお前も飲め!」
レノが帰ってきたばかりのイリーナの腕を引っ張って席につかせると、あまり綺麗とは言えないグラスに並々と酒を注いだ。
「先輩、お酒臭いです…」
イリーナはうっと息を詰まらせた。
「ちょっとレノ、飲みすぎ!」
ヒロインがレノから酒瓶を取り上げた。
「んだよ、ヒロイン。たまにはいいだろ~」
にやりと笑ったレノはヒロインに抱きつくと、ヒロインの身体を撫で回し始めた。
レノとヒロインの恋人同士らしい行為を目の当たりにしたイリーナは、顔が赤くなるのを感じた。
「いい加減に…!」
ヒロインの眉が吊り上がった。
「ごめん、イリーナ。思い切りやっちゃって」
目が据わっている。
逆らう気など一切起きない迫力だった。イリーナはこくこくと何度も首を縦に振ると、レノを殴って気絶させた。
「まったく…こんな酒癖悪いなんて!」
気絶したレノを振りほどくと、ヒロインはレノが先程イリーナの前に置いたグラスを手に取り、中身を一気に飲み干した。
これにはイリーナが目を剥く。
「あの、そんな一気に…」
「あ、ごめん。思わず飲んじゃった…」
そういうことじゃないんだけど。
イリーナは溜息をついた。
.