3-4:おいしいコーヒー
ヒロイン
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「危ないぞ、と」
レノはカップをテーブルに置き、興奮するヒロインをなだめた。が、ヒロインは更にレノとの距離を詰めた。少し顔を動かせば、ヒロインの唇に触れることができそうだ。
「ね、どうだった!?」
ヒロインの呼気がかかる。レノはここがダイニングだということも忘れ、勢いのままヒロインを抱きしめると、その唇にキスをした。
「ん!?」
初めは優しく啄むように。しばらくして、薄く開いたヒロインの口に深く舌を入れる。ヒロインの口から艶めいた声が漏れ始めた。
たっぷりヒロインの唇を味わい満足したレノは、ヒロインを解放した。ヒロインは頬を朱色に染め、乱れた呼吸を整えていた。その姿がまた色っぽいのだが――
「みんながいる場所で、そういうのはダメって約束だったでしょ!?」
最早コーヒーの感想を聞くことなど吹き飛んだ様子で、ヒロインは眉を吊り上げていた。『そういうの』がどういうものかヒロインの口から直接聞きたかったが、そこに踏み込むとやぶ蛇になりそうだ。
「つい出来心で」
そう言うにとどめたが、ヒロインは怒った様子でそっぽを向いてしまった。
レノは頭をかいた。
「コーヒー、美味かったぞ、と」
「本当!?」
ゲンキンなもので、ヒロインはその一言で機嫌を直したようだ。
「ルードに淹れ方教えてもらったの。よかった、レノにも喜んでもらえて」
どうして突然コーヒーの淹れ方を教えてもらおうと思ったのか。レノは眉をひそめたが、すぐに答えに思い当たった。
(あー…あれか)
数日前、帰りの車中でそんな話をした。何の気なしにしていた話だったが、どうやらヒロインは気にしていたらしい。
自分のためにおいしいコーヒーを淹れようと頑張っていた健気なヒロインがたまらなく愛おしくなり、レノはヒロインの静止も聞かず、再びヒロインを抱きしめた。
「うれしいぞ、と」
耳元で囁くと、ヒロインがくすぐったそうに身を捩った。そのときにわずかに漏れた声が色っぽく、理性が飛びそうになる。それを寸前で押し留めたのは、ヒロインだった。
「…まだダメ。今日の夜に。ね?」
頬を染め、恥じらう様子のヒロインから『夜に』と言われれば、ここは我慢するしかない。
「約束だぞ、と」
レノは抱きしめていたヒロインを解放した。ヒロインはにこりと微笑むと小さく頷いた。
「新しいコーヒー淹れるね」
香り立つコーヒーの匂いをかぎながら、今日はいい一日になりそうだとレノは思った。
To be continued...
2020/04/30
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レノはカップをテーブルに置き、興奮するヒロインをなだめた。が、ヒロインは更にレノとの距離を詰めた。少し顔を動かせば、ヒロインの唇に触れることができそうだ。
「ね、どうだった!?」
ヒロインの呼気がかかる。レノはここがダイニングだということも忘れ、勢いのままヒロインを抱きしめると、その唇にキスをした。
「ん!?」
初めは優しく啄むように。しばらくして、薄く開いたヒロインの口に深く舌を入れる。ヒロインの口から艶めいた声が漏れ始めた。
たっぷりヒロインの唇を味わい満足したレノは、ヒロインを解放した。ヒロインは頬を朱色に染め、乱れた呼吸を整えていた。その姿がまた色っぽいのだが――
「みんながいる場所で、そういうのはダメって約束だったでしょ!?」
最早コーヒーの感想を聞くことなど吹き飛んだ様子で、ヒロインは眉を吊り上げていた。『そういうの』がどういうものかヒロインの口から直接聞きたかったが、そこに踏み込むとやぶ蛇になりそうだ。
「つい出来心で」
そう言うにとどめたが、ヒロインは怒った様子でそっぽを向いてしまった。
レノは頭をかいた。
「コーヒー、美味かったぞ、と」
「本当!?」
ゲンキンなもので、ヒロインはその一言で機嫌を直したようだ。
「ルードに淹れ方教えてもらったの。よかった、レノにも喜んでもらえて」
どうして突然コーヒーの淹れ方を教えてもらおうと思ったのか。レノは眉をひそめたが、すぐに答えに思い当たった。
(あー…あれか)
数日前、帰りの車中でそんな話をした。何の気なしにしていた話だったが、どうやらヒロインは気にしていたらしい。
自分のためにおいしいコーヒーを淹れようと頑張っていた健気なヒロインがたまらなく愛おしくなり、レノはヒロインの静止も聞かず、再びヒロインを抱きしめた。
「うれしいぞ、と」
耳元で囁くと、ヒロインがくすぐったそうに身を捩った。そのときにわずかに漏れた声が色っぽく、理性が飛びそうになる。それを寸前で押し留めたのは、ヒロインだった。
「…まだダメ。今日の夜に。ね?」
頬を染め、恥じらう様子のヒロインから『夜に』と言われれば、ここは我慢するしかない。
「約束だぞ、と」
レノは抱きしめていたヒロインを解放した。ヒロインはにこりと微笑むと小さく頷いた。
「新しいコーヒー淹れるね」
香り立つコーヒーの匂いをかぎながら、今日はいい一日になりそうだとレノは思った。
To be continued...
2020/04/30
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