3-4:おいしいコーヒー
ヒロイン
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眉根を寄せ、口をへの字に曲げたヒロインがダイニングテーブルに座っている。腕まで組んで、目の前のコーヒーカップを睨んでいる。
いつもより早起きしたルードは、不機嫌な様子のヒロインを見て、溜息をついた。
またレノとケンカでもしたのだろうか。いや、ケンカというのは語弊があるかもしれない。彼らの場合、言い争いになることは少ない。レノがヒロインをからかって、ヒロインを怒らせることがほとんどだからだ。
「…おはよう、ヒロイン」
ルードは遠慮がちにヒロインに声をかけた。すると、ヒロインははっとしたように顔を上げ、すぐに笑顔になった。
「おはよう、ルード。ごめんね、ぼーっとしてた」
ぼーっと、という感じではなかったが、深く立ち入るのはやめた。
ルードはヒロインの横を通り過ぎると、コーヒーの準備を始めた。まだ誰も起きてきてはいない。とりあえずは、一人分でよいかと考えたが、ヒロインのカップのコーヒーが冷めていたことに気づく。
「ヒロイン、コーヒーは飲むか?」
「うん、ありがとう」
ルードは軽く首をかしげた。普段のヒロインなら、自分が淹れると言うだろう。体調がよくないのだろうか。些細なことではあったが、ルードは引っかかりを感じた。
ルードは新しいカップに淹れたコーヒーをヒロインの前に置いた。
ヒロインはお礼を言うと、両手でカップを持ち、ゆっくりと傾けた。
「おいしい…!」
「ん?」
目の前に座るヒロインの目がキラリと光った。明らかに様子の変わったヒロインに、ルードは眉をひそめた。
「ルード!コーヒーの淹れ方教えて!」
突然立ち上がったヒロインに詰め寄られ、ルードは思わず首を縦に振った。
コーヒーの淹れ方ぐらい教えるのはわけもないが、一体なぜそんなに必死なのか。理由を聞くと、ヒロインは少し顔を赤くして、理由を話してくれた。
「この前、ティファのところに行った帰りに…レノが、ティファのコーヒーおいしかったって。確かに、ティファの淹れるコーヒーはおいしいんだけど、すっごく嬉しそうに話すから、悔しいというか、ちょっと腹が立つというか…だから、おいしいコーヒー淹れて、見返してやろう!って思って…」
そこまで話を聞いて、ルードは頭が痛くなってきた。思ったことをはっきりと口に出すのは、相棒のいいところではある。しかし、言い方というものがある。『自分のコーヒーよりおいしい』と言われて、喜ぶ女性はいないだろう。その相手が、大事な友人であったとしても。
まぁ、レノがそれだけヒロインに心を許しているということなのかもしれないが。
しかし、もう一つ腑に落ちないことがある。
「それなら、ティファに淹れ方を聞いたほうがいいのではないか?」
そう問うと、ヒロインは少し言葉を詰まらせた。しばらく無言が続き、ヒロインが観念したように言った。さらに顔を赤くして。
「だって、理由を話したら、絶対また、からかわれるから…」
なんと可愛らしい理由だろうか。
昔のヒロインは意地を張ったり、自分の感情を押し殺していたものだが、今ではすっかり肩の力も抜け、素直に感情を表してくれる。それが、ルードは素直にうれしかった。
「みんなには内緒にしてね」
ルードは頷いた。
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いつもより早起きしたルードは、不機嫌な様子のヒロインを見て、溜息をついた。
またレノとケンカでもしたのだろうか。いや、ケンカというのは語弊があるかもしれない。彼らの場合、言い争いになることは少ない。レノがヒロインをからかって、ヒロインを怒らせることがほとんどだからだ。
「…おはよう、ヒロイン」
ルードは遠慮がちにヒロインに声をかけた。すると、ヒロインははっとしたように顔を上げ、すぐに笑顔になった。
「おはよう、ルード。ごめんね、ぼーっとしてた」
ぼーっと、という感じではなかったが、深く立ち入るのはやめた。
ルードはヒロインの横を通り過ぎると、コーヒーの準備を始めた。まだ誰も起きてきてはいない。とりあえずは、一人分でよいかと考えたが、ヒロインのカップのコーヒーが冷めていたことに気づく。
「ヒロイン、コーヒーは飲むか?」
「うん、ありがとう」
ルードは軽く首をかしげた。普段のヒロインなら、自分が淹れると言うだろう。体調がよくないのだろうか。些細なことではあったが、ルードは引っかかりを感じた。
ルードは新しいカップに淹れたコーヒーをヒロインの前に置いた。
ヒロインはお礼を言うと、両手でカップを持ち、ゆっくりと傾けた。
「おいしい…!」
「ん?」
目の前に座るヒロインの目がキラリと光った。明らかに様子の変わったヒロインに、ルードは眉をひそめた。
「ルード!コーヒーの淹れ方教えて!」
突然立ち上がったヒロインに詰め寄られ、ルードは思わず首を縦に振った。
コーヒーの淹れ方ぐらい教えるのはわけもないが、一体なぜそんなに必死なのか。理由を聞くと、ヒロインは少し顔を赤くして、理由を話してくれた。
「この前、ティファのところに行った帰りに…レノが、ティファのコーヒーおいしかったって。確かに、ティファの淹れるコーヒーはおいしいんだけど、すっごく嬉しそうに話すから、悔しいというか、ちょっと腹が立つというか…だから、おいしいコーヒー淹れて、見返してやろう!って思って…」
そこまで話を聞いて、ルードは頭が痛くなってきた。思ったことをはっきりと口に出すのは、相棒のいいところではある。しかし、言い方というものがある。『自分のコーヒーよりおいしい』と言われて、喜ぶ女性はいないだろう。その相手が、大事な友人であったとしても。
まぁ、レノがそれだけヒロインに心を許しているということなのかもしれないが。
しかし、もう一つ腑に落ちないことがある。
「それなら、ティファに淹れ方を聞いたほうがいいのではないか?」
そう問うと、ヒロインは少し言葉を詰まらせた。しばらく無言が続き、ヒロインが観念したように言った。さらに顔を赤くして。
「だって、理由を話したら、絶対また、からかわれるから…」
なんと可愛らしい理由だろうか。
昔のヒロインは意地を張ったり、自分の感情を押し殺していたものだが、今ではすっかり肩の力も抜け、素直に感情を表してくれる。それが、ルードは素直にうれしかった。
「みんなには内緒にしてね」
ルードは頷いた。
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