3-3:兆し
ヒロイン
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「は?誘拐?」
携帯越しにヒロインから伝えられたのは、子どもが誘拐されそうになっている、というものだった。
『どうしよう、連れて行かれちゃう…止めないと!』
「ダメだ、そこから動くな!」
今にも駆け出しそうなヒロインの気配を感じ、レノは思わず大声を出した。
『でも…』
「でももだってもないぞ、と。今から向かうから、犯人が向かった方向だけ見ててくれ。あとはオレがやる」
通話しながらレノはセブンスヘブンを出て、車に乗り込んだ。エンジンをかけようとすると、店からクラウドとティファが出てきた。
「オレも行く。ティファは子どもたちを見ててくれ」
「好きにしろよ、と」
レノはクラウドを一瞥すると、エンジンを掛け、ヒロインの待つ場所へと急いだ。
ヒロインは大人しく待っていた。そわそわと落ち着きない様子ではあったが。
レノに気づくと、ヒロインは早足で近づき、忙しなく状況を説明した。
さらわれた子どもは二人。どちらも少年らしい。誘拐したのは大柄な男三人。男たちは力づくで少年を車に乗せ、北の方に向かったということだった。
「クラウド、子どもたちは北だぞ、と」
「街外れの廃材置き場だな」
「ああ」
ヒロインはクラウドに近寄ると、小さく頭を下げて言った。
「戻ってきたところだったんでしょ?巻き込んでごめんなさい」
「…構わない」
ぶっきらぼうにそれだけ言うと、クラウドは先に行くと告げ、バイクを走らせた。
相変わらずではあるが、それが頼もしい。
「さあ、レノ。私たちも」
そう言って、ヒロインは助手席に乗り込んだ。
当たり前のように同行するというヒロインに、レノは目を剥いた。
「何をして…いいからティファのとこ戻ってろよ、と」
「言い争ってる場合じゃないでしょ!ほら、早く!」
確かにヒロインの言うとおりではあるのだが、戦闘になる可能性のある場所にヒロインを連れて行きたくないのが本音だ。何があるかわからない。しかし、言い争っている場合じゃないことも確かだった。
レノはヒロインの説得を諦めた代わりに、何があっても絶対に車から出ないよう、ヒロインにきつく言った。
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携帯越しにヒロインから伝えられたのは、子どもが誘拐されそうになっている、というものだった。
『どうしよう、連れて行かれちゃう…止めないと!』
「ダメだ、そこから動くな!」
今にも駆け出しそうなヒロインの気配を感じ、レノは思わず大声を出した。
『でも…』
「でももだってもないぞ、と。今から向かうから、犯人が向かった方向だけ見ててくれ。あとはオレがやる」
通話しながらレノはセブンスヘブンを出て、車に乗り込んだ。エンジンをかけようとすると、店からクラウドとティファが出てきた。
「オレも行く。ティファは子どもたちを見ててくれ」
「好きにしろよ、と」
レノはクラウドを一瞥すると、エンジンを掛け、ヒロインの待つ場所へと急いだ。
ヒロインは大人しく待っていた。そわそわと落ち着きない様子ではあったが。
レノに気づくと、ヒロインは早足で近づき、忙しなく状況を説明した。
さらわれた子どもは二人。どちらも少年らしい。誘拐したのは大柄な男三人。男たちは力づくで少年を車に乗せ、北の方に向かったということだった。
「クラウド、子どもたちは北だぞ、と」
「街外れの廃材置き場だな」
「ああ」
ヒロインはクラウドに近寄ると、小さく頭を下げて言った。
「戻ってきたところだったんでしょ?巻き込んでごめんなさい」
「…構わない」
ぶっきらぼうにそれだけ言うと、クラウドは先に行くと告げ、バイクを走らせた。
相変わらずではあるが、それが頼もしい。
「さあ、レノ。私たちも」
そう言って、ヒロインは助手席に乗り込んだ。
当たり前のように同行するというヒロインに、レノは目を剥いた。
「何をして…いいからティファのとこ戻ってろよ、と」
「言い争ってる場合じゃないでしょ!ほら、早く!」
確かにヒロインの言うとおりではあるのだが、戦闘になる可能性のある場所にヒロインを連れて行きたくないのが本音だ。何があるかわからない。しかし、言い争っている場合じゃないことも確かだった。
レノはヒロインの説得を諦めた代わりに、何があっても絶対に車から出ないよう、ヒロインにきつく言った。
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