2-22:絆
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静かな朝だった。
小鳥のさえずりだけが聞こえる。
世界は、何週間かぶりに穏やかな朝を迎えていた。
「世界は、救われたんだな」
クラウドたちやヒロインのおかげで。
メテオが地表にぶつかる寸前、ライフストリームがメテオを破壊した。
そして、地表から吹き出したライフストリームは、しばらく吹き荒れた後、何事もなかったかのように消えた。
「ヒロイン…」
無意識のうちに、レノは呟いていた。
どうしてだろう。
苦しい。
見上げた空は、突き抜けるような青さだというのに。
この晴れない気分は何故だ?
輝く太陽の下、レノはふと思い立ち、北の方角に目を遣った。
理由は、わからない。
ただ、そうしなければならないような焦りを感じていた。
「…」
レノは、口を開きかけて閉じた。
何を言おうとしたのだったか。
分からない…
すごく大事な言葉だった気がする。
それは、絶対忘れてはいけない大切な言葉だった。
愛しい言葉だった。
そう。
それは、最愛の人の名前――
「…」
出てこない。
分からない。
あんなに想っていた人の名前なのに、何故?
レノは、その人の姿を思い浮べた。
細い身体。
白い肌。
長く黒い髪。
…何色の瞳だった?
顔立ちは?
分からない。
思い出せない。
いや、そんな女が本当にいたのか?
ぽっかり穴が空いた心を抱え、レノは呆然と立ち尽くした。
が、すぐに怒りが込み上げてきた。
「ふざけるなよ…ヒロイン、お前…勝手に消えていいと思ってんのか!?俺は、絶対忘れないぞ、と!」
.
小鳥のさえずりだけが聞こえる。
世界は、何週間かぶりに穏やかな朝を迎えていた。
「世界は、救われたんだな」
クラウドたちやヒロインのおかげで。
メテオが地表にぶつかる寸前、ライフストリームがメテオを破壊した。
そして、地表から吹き出したライフストリームは、しばらく吹き荒れた後、何事もなかったかのように消えた。
「ヒロイン…」
無意識のうちに、レノは呟いていた。
どうしてだろう。
苦しい。
見上げた空は、突き抜けるような青さだというのに。
この晴れない気分は何故だ?
輝く太陽の下、レノはふと思い立ち、北の方角に目を遣った。
理由は、わからない。
ただ、そうしなければならないような焦りを感じていた。
「…」
レノは、口を開きかけて閉じた。
何を言おうとしたのだったか。
分からない…
すごく大事な言葉だった気がする。
それは、絶対忘れてはいけない大切な言葉だった。
愛しい言葉だった。
そう。
それは、最愛の人の名前――
「…」
出てこない。
分からない。
あんなに想っていた人の名前なのに、何故?
レノは、その人の姿を思い浮べた。
細い身体。
白い肌。
長く黒い髪。
…何色の瞳だった?
顔立ちは?
分からない。
思い出せない。
いや、そんな女が本当にいたのか?
ぽっかり穴が空いた心を抱え、レノは呆然と立ち尽くした。
が、すぐに怒りが込み上げてきた。
「ふざけるなよ…ヒロイン、お前…勝手に消えていいと思ってんのか!?俺は、絶対忘れないぞ、と!」
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