2-22:絆
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「ごぼっ…!」
ヒロインは落水した衝撃で大量の空気を吐き出した。
自由になった両手で慌てて口を押さえる。
しかし、空気はほとんど吐き出してしまっている。
苦しい。
早く上がらないと――
ヒロインは水を手で掻き、上を目指した。
「さあ、どうするのだ?」
突然、目の前にセフィロスが現れた。
行く手を遮られたヒロインは、向きを変えて水を蹴った。
「楽に死にたいだろう」
またしてもセフィロスが邪魔をする。
ヒロインはもう限界だった。
「誰も苦しみたくないと願う」
苦しい。
もがく力すら残っていない。
「さぁ…ヒロイン」
口の端から漏れる気泡の行く先には、空気があるというのに。
そこは遥か彼方、空より遠い。
「時間がないぞ」
セフィロスに周りを囲まれているかのように、声は四方八方から聞こえる。
楽に死ぬか、苦しんで死ぬか。
どちらにしても、死ぬには変わりない。
死に方を選ぶ自由しかないのか。
これで終わりなのか。
次第に暗くなる視界、遠退く意識の中、ヒロインは悔しくて仕方がなかった。
(まだ――私は――)
チカッ!
何かが光った。
ヒロインは無心でそちらに手を伸ばした。
(もう、少し…)
指が、何か固いものに触れた。
その瞬間。
光が吹き出した。
それに合わせ、身体を圧迫していたものが消えた。
「ヒロインっ!」
セフィロスの最期の叫びも、一瞬で掻き消えた。
(マテリ、ア…発動、した、ん…だ…)
セフィロスの野望を阻止できた。
それに満足したヒロインは、温かな光に包まれながら目を閉じた。
自分の身体が、静かに沈みゆくのを感じながら。
.
ヒロインは落水した衝撃で大量の空気を吐き出した。
自由になった両手で慌てて口を押さえる。
しかし、空気はほとんど吐き出してしまっている。
苦しい。
早く上がらないと――
ヒロインは水を手で掻き、上を目指した。
「さあ、どうするのだ?」
突然、目の前にセフィロスが現れた。
行く手を遮られたヒロインは、向きを変えて水を蹴った。
「楽に死にたいだろう」
またしてもセフィロスが邪魔をする。
ヒロインはもう限界だった。
「誰も苦しみたくないと願う」
苦しい。
もがく力すら残っていない。
「さぁ…ヒロイン」
口の端から漏れる気泡の行く先には、空気があるというのに。
そこは遥か彼方、空より遠い。
「時間がないぞ」
セフィロスに周りを囲まれているかのように、声は四方八方から聞こえる。
楽に死ぬか、苦しんで死ぬか。
どちらにしても、死ぬには変わりない。
死に方を選ぶ自由しかないのか。
これで終わりなのか。
次第に暗くなる視界、遠退く意識の中、ヒロインは悔しくて仕方がなかった。
(まだ――私は――)
チカッ!
何かが光った。
ヒロインは無心でそちらに手を伸ばした。
(もう、少し…)
指が、何か固いものに触れた。
その瞬間。
光が吹き出した。
それに合わせ、身体を圧迫していたものが消えた。
「ヒロインっ!」
セフィロスの最期の叫びも、一瞬で掻き消えた。
(マテリ、ア…発動、した、ん…だ…)
セフィロスの野望を阻止できた。
それに満足したヒロインは、温かな光に包まれながら目を閉じた。
自分の身体が、静かに沈みゆくのを感じながら。
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