2-22:絆
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ヒロインは待った。
ひたすらに。
クラウドたちがセフィロスを倒すと信じて。
ここでそれを待ってどれくらい経っただろう。
時間感覚を失った身体が、微弱な揺れを捉えた。
それは次第に激しさを増した。
祭壇全体が揺れ始める。
全てを解放し、世界に同化していたヒロインが、一つの変化を感じ取った。
それまでずっとあった北のまがまがしい気配が消えた。
(クラウドたち…勝ったのね)
ヒロインは、ほっと肩の力を抜いた。
しかし、それも一瞬。
すぐに真剣な表情に戻った。
次は自分の番だ。
ヒロインは目を閉じ、ホーリーの気配を探る。
地底湖の深く、底に近い場所にそれはあった。
しかし、とても弱々しい。
セフィロスの邪魔はなくなったが、とても発動できそうにない。
思った通りだった。
ヒロインは組んでいた指を解いた。
そして、マテリアが沈んでいる辺りに向けて両手を突き出した。
ゆるゆるとヒロインの手から放たれた魔力は、真っ直ぐマテリアの方に延びていった。
これで大丈夫。
最後の力を送ろうとしたとき。
とてつもなく強い力で背後から両腕を掴まれた。
「っ…!」
ヒロインの手から送られていた魔力が止まる。
ヒロインは苦痛に顔を歪めながら、自分の腕を掴むものを見た。
腕に深く食い込んだ、白く、細長い指。
これは――
「余計なことをするな」
息が止まりそうなまでの冷酷な殺気。
「セフィロス…!」
ヒロインはぎりっと唇を噛んだ。
後少しだというのに。
後一欠けらの力を送れば、エアリスの願いを叶えられるというのに。
セフィロスが現れたのは、まさに最悪のタイミングだった。
.
ひたすらに。
クラウドたちがセフィロスを倒すと信じて。
ここでそれを待ってどれくらい経っただろう。
時間感覚を失った身体が、微弱な揺れを捉えた。
それは次第に激しさを増した。
祭壇全体が揺れ始める。
全てを解放し、世界に同化していたヒロインが、一つの変化を感じ取った。
それまでずっとあった北のまがまがしい気配が消えた。
(クラウドたち…勝ったのね)
ヒロインは、ほっと肩の力を抜いた。
しかし、それも一瞬。
すぐに真剣な表情に戻った。
次は自分の番だ。
ヒロインは目を閉じ、ホーリーの気配を探る。
地底湖の深く、底に近い場所にそれはあった。
しかし、とても弱々しい。
セフィロスの邪魔はなくなったが、とても発動できそうにない。
思った通りだった。
ヒロインは組んでいた指を解いた。
そして、マテリアが沈んでいる辺りに向けて両手を突き出した。
ゆるゆるとヒロインの手から放たれた魔力は、真っ直ぐマテリアの方に延びていった。
これで大丈夫。
最後の力を送ろうとしたとき。
とてつもなく強い力で背後から両腕を掴まれた。
「っ…!」
ヒロインの手から送られていた魔力が止まる。
ヒロインは苦痛に顔を歪めながら、自分の腕を掴むものを見た。
腕に深く食い込んだ、白く、細長い指。
これは――
「余計なことをするな」
息が止まりそうなまでの冷酷な殺気。
「セフィロス…!」
ヒロインはぎりっと唇を噛んだ。
後少しだというのに。
後一欠けらの力を送れば、エアリスの願いを叶えられるというのに。
セフィロスが現れたのは、まさに最悪のタイミングだった。
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