2-22:絆
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ほぼ休みなしでバイクを走らせ、海を越え、ヒロインは忘らるる都に辿り着いた。
ここは、あの時と何も変わっていなかった。
静寂と脆さと儚さが満ちていた。
いや、あの時より静かで冷たかった。
生きるものは、何もない。
既に、死に絶えた都。
エアリスが、眠る場所。
事前にエアリスを葬った場所をクラウドから聞いていたが、ヒロインは立ち寄らなかった。
その場所に向かうのは、全てが終わってから皆で。
そう決めていた。
だからヒロインは真っ直ぐ祭壇を目指した。
エアリスが命を落とした場所を。
祭壇へ続くクリスタルの階段の輝きは、あの時より鈍って見えた。
それはまるで、祭壇で亡くなった人を悼んでいるようだった。
螺旋階段を降りたヒロインは、祭壇の前で足を止めた。
エアリスが祈りを捧げていた場所に、ロッドが立てられていたからだ。
それは、まるで墓標だった。
「エアリス…」
あの時――セフィロスの凶刃が身体を貫く寸前、エアリスは確かに笑った。
その最後の微笑みは、脳裏に焼き付いて離れない。
そういえば、ザックスも研究員も、最期は穏やかな表情だった。
以前はわからなかった。
でも、今ならわかる気がする。
「想いを、託せたから…だよね」
エアリスの想いは、仲間全員に届いた。
ヒロインも、エアリスの想いを昇華させるため、ここにいる。
セフィロスに邪魔され、発動できないエアリスの最期の魔法。
それに力を加え、解き放つ――
これは、ヒロインにしかできないこと。
ジェノバが残した最後の力を、ここで使う。
ヒロインは祭壇に上がり、中心に立った。
そして、指を組み、ゆっくりと目を閉じた。
すると、ふわっとヒロインの髪が舞い上がった。
ゆらゆらと魔力の靄が身体から立ち上ぼり始める。
身体中に魔力が駆け巡り始めたようだ。
「セフィロス――あなたにこの星は渡さない」
.
ここは、あの時と何も変わっていなかった。
静寂と脆さと儚さが満ちていた。
いや、あの時より静かで冷たかった。
生きるものは、何もない。
既に、死に絶えた都。
エアリスが、眠る場所。
事前にエアリスを葬った場所をクラウドから聞いていたが、ヒロインは立ち寄らなかった。
その場所に向かうのは、全てが終わってから皆で。
そう決めていた。
だからヒロインは真っ直ぐ祭壇を目指した。
エアリスが命を落とした場所を。
祭壇へ続くクリスタルの階段の輝きは、あの時より鈍って見えた。
それはまるで、祭壇で亡くなった人を悼んでいるようだった。
螺旋階段を降りたヒロインは、祭壇の前で足を止めた。
エアリスが祈りを捧げていた場所に、ロッドが立てられていたからだ。
それは、まるで墓標だった。
「エアリス…」
あの時――セフィロスの凶刃が身体を貫く寸前、エアリスは確かに笑った。
その最後の微笑みは、脳裏に焼き付いて離れない。
そういえば、ザックスも研究員も、最期は穏やかな表情だった。
以前はわからなかった。
でも、今ならわかる気がする。
「想いを、託せたから…だよね」
エアリスの想いは、仲間全員に届いた。
ヒロインも、エアリスの想いを昇華させるため、ここにいる。
セフィロスに邪魔され、発動できないエアリスの最期の魔法。
それに力を加え、解き放つ――
これは、ヒロインにしかできないこと。
ジェノバが残した最後の力を、ここで使う。
ヒロインは祭壇に上がり、中心に立った。
そして、指を組み、ゆっくりと目を閉じた。
すると、ふわっとヒロインの髪が舞い上がった。
ゆらゆらと魔力の靄が身体から立ち上ぼり始める。
身体中に魔力が駆け巡り始めたようだ。
「セフィロス――あなたにこの星は渡さない」
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