2-22:絆
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その晩、二人は昔を振り返りながら、様々な話をした。
他愛もない話や、真剣な話、触れたくない記憶にも触れた。
ヒロインは、ザックスの死やエアリスの死、さらには研究員についてもレノに話した。
研究員の話になると、レノは黙って聞き入っていた。
時折相槌を打ったりはしていたが、自ら口を挟むことはなかった。
ただ静かに、ゆっくりと咀嚼することで、自分の気持ちを整理しているのかもしれなかった。
そして、全ての話が終わった後、「そうか」とだけ言った。
ヒロインにとっては重い一言だったが、レノに話せたことで少し背負った荷が軽くなったような気がした。
その日、二人は手を繋いで眠りについた。
もう二度と離れることがないよう祈りを込めて。
ヒロインは、レノの胸に抱かれながら、また涙を零した。
5年前、レノの元から去ると決めたあの日も同じだった。
寂しくて、悲しくて、切なくて、辛くて――
レノとの別れは、いつも苦しくて仕方がない。
ヒロインはレノの手を握る力を強めた。
すると、レノも握り返してきた。
「またすぐに会える――だろ?」
「うん。ありがとう、レノ」
ヒロインは穏やかな表情を浮かべ、目を閉じた。
「行ってきます」
翌早朝、ヒロインはレノのマンションを後にした。
「バイク、必ず返せよ」
「大丈夫。信じて」
ヒロインは、レノに向かって小指を突き出した。
「何だ?」
「指切り。ありきたりだけど」
そう言うと、レノは照れ臭そうにそっぽを向きながら指切りをした。
「絶対だからな」
「もちろん。だから、レノも――」
続きを言おうとしたヒロインだったが、それは言葉にならなかった。
レノの唇が、言い掛けた言葉を飲み込んだ。
「無事に帰ってこいよ」
「うん。じゃあ、また」
ヒロインはバイクのエンジンを掛け、アクセルを回した。
レノはずっと見送っていた。
サイドミラーからその姿が消えると、ヒロインはスピードを上げた。
目指すは、忘らるる都――
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他愛もない話や、真剣な話、触れたくない記憶にも触れた。
ヒロインは、ザックスの死やエアリスの死、さらには研究員についてもレノに話した。
研究員の話になると、レノは黙って聞き入っていた。
時折相槌を打ったりはしていたが、自ら口を挟むことはなかった。
ただ静かに、ゆっくりと咀嚼することで、自分の気持ちを整理しているのかもしれなかった。
そして、全ての話が終わった後、「そうか」とだけ言った。
ヒロインにとっては重い一言だったが、レノに話せたことで少し背負った荷が軽くなったような気がした。
その日、二人は手を繋いで眠りについた。
もう二度と離れることがないよう祈りを込めて。
ヒロインは、レノの胸に抱かれながら、また涙を零した。
5年前、レノの元から去ると決めたあの日も同じだった。
寂しくて、悲しくて、切なくて、辛くて――
レノとの別れは、いつも苦しくて仕方がない。
ヒロインはレノの手を握る力を強めた。
すると、レノも握り返してきた。
「またすぐに会える――だろ?」
「うん。ありがとう、レノ」
ヒロインは穏やかな表情を浮かべ、目を閉じた。
「行ってきます」
翌早朝、ヒロインはレノのマンションを後にした。
「バイク、必ず返せよ」
「大丈夫。信じて」
ヒロインは、レノに向かって小指を突き出した。
「何だ?」
「指切り。ありきたりだけど」
そう言うと、レノは照れ臭そうにそっぽを向きながら指切りをした。
「絶対だからな」
「もちろん。だから、レノも――」
続きを言おうとしたヒロインだったが、それは言葉にならなかった。
レノの唇が、言い掛けた言葉を飲み込んだ。
「無事に帰ってこいよ」
「うん。じゃあ、また」
ヒロインはバイクのエンジンを掛け、アクセルを回した。
レノはずっと見送っていた。
サイドミラーからその姿が消えると、ヒロインはスピードを上げた。
目指すは、忘らるる都――
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