2-22:絆
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プレート上の五番街ステーションは、先程までの喧騒が嘘のように静まり返っていた。
既に一般市民の避難は完了したのだろう。
ミッドガルとは思えない静けさだった。
ヒロインはツォンに言われた通り、入口でレノを待った。
もうすぐレノに会える。
そう考えると、自然と胸が熱くなった。
(そういえば、ここで初めてレノに会ったんだ)
女性と腕を組んで歩いていたレノに、こっそりディスクを預けたのが初めての出会い。
赤毛で派手な出で立ちだったため、本当にタークスなのか不安になったのを覚えている。
しかし、目が合った瞬間、全てが吹き飛んだような錯覚に陥った。
(もしかしたら、私、あの時からずっと――)
「ヒロイン!!」
ヒロインは、はっと顔を上げた。
レノ。
名前を呼ぼうとしたが、声が詰まって言葉にならない。
自然と涙が溢れた。
悲しいわけではない。
苦しいわけではない。
ただただ嬉しくて、ヒロインは涙を流した。
「迎えに来たぞ、と」
レノの腕に収まったヒロインは、しゃくり上げながら何度も頷いた。
「無事でよかった」
レノがいる。
それだけで心が満たされていく。
ヒロインはその幸せを噛み締めながら、レノの背に腕を回した。
「出発前に会えてよかった」
そうヒロインが言うと、レノの腕に力が入った。
「最後みたいに言うなよ」
レノの声は震えていた。
何度も体験した喪失の恐怖がそうさせたに違いない。
二度と離すまいとするレノの思いは、ヒロインにも痛いほど伝わった。
これほどまでに自分を思ってくれるレノには、感謝してもし足りない。
だからこそ、行かなくては。
最後にしないために。
大切な人を守るために。
「また会えるわ。全部終わったら、戻る場所はここしかないから」
ヒロインは顔を上げ、微笑んだ。
「あぁ、そうだな」
ようやくレノの表情も和らいだ。
.
既に一般市民の避難は完了したのだろう。
ミッドガルとは思えない静けさだった。
ヒロインはツォンに言われた通り、入口でレノを待った。
もうすぐレノに会える。
そう考えると、自然と胸が熱くなった。
(そういえば、ここで初めてレノに会ったんだ)
女性と腕を組んで歩いていたレノに、こっそりディスクを預けたのが初めての出会い。
赤毛で派手な出で立ちだったため、本当にタークスなのか不安になったのを覚えている。
しかし、目が合った瞬間、全てが吹き飛んだような錯覚に陥った。
(もしかしたら、私、あの時からずっと――)
「ヒロイン!!」
ヒロインは、はっと顔を上げた。
レノ。
名前を呼ぼうとしたが、声が詰まって言葉にならない。
自然と涙が溢れた。
悲しいわけではない。
苦しいわけではない。
ただただ嬉しくて、ヒロインは涙を流した。
「迎えに来たぞ、と」
レノの腕に収まったヒロインは、しゃくり上げながら何度も頷いた。
「無事でよかった」
レノがいる。
それだけで心が満たされていく。
ヒロインはその幸せを噛み締めながら、レノの背に腕を回した。
「出発前に会えてよかった」
そうヒロインが言うと、レノの腕に力が入った。
「最後みたいに言うなよ」
レノの声は震えていた。
何度も体験した喪失の恐怖がそうさせたに違いない。
二度と離すまいとするレノの思いは、ヒロインにも痛いほど伝わった。
これほどまでに自分を思ってくれるレノには、感謝してもし足りない。
だからこそ、行かなくては。
最後にしないために。
大切な人を守るために。
「また会えるわ。全部終わったら、戻る場所はここしかないから」
ヒロインは顔を上げ、微笑んだ。
「あぁ、そうだな」
ようやくレノの表情も和らいだ。
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