2-22:絆
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「ヒロインか?」
突然声を掛けられたヒロインは、びくっと身体を震わせた。
しかし、その声に聞き覚えがあったヒロインは、弾かれたように振り返った。
「ツォンさん!無事だったんですね!」
古代種の神殿で重傷を負ったツォンの元気そうな様子を見て、ヒロインはほっと息をついた。
「あぁ…それより、何故ここに?」
理由を問われたヒロインは、気恥ずかしくなって笑った。
「無くしたものを、確認したかったんです。決心を鈍らせないために。ツォンさんは、どうして…」
「私も、同じようなものだ。最後に見ておきたくなった」
そう言ったツォンの目は、真っ直ぐ花壇の一点を見つめていた。
きっと、ツォンも同じものを見ているに違いない。
花壇にかがみ、花の世話をする彼女の姿を。
ヒロインは邪魔をしないよう静かに一礼して、教会を出ようとした。
「ヒロイン、行くのか?」
ツォンに問われ、ヒロインは出口を前にして足を止めた。
「はい。最後にしないためにも。それに、彼女と約束しましたから」
「…そうか、そうだな」
振り返ったヒロインの目に、ふっと笑ったツォンが映った。
そのツォンは、5年前に兄のように慕っていた頃のツォンだった。
「ヒロイン、レノに会って行け。今、お前を血眼になって探している」
「レノに…」
会いたい。
ツォンにはああ言ったが、もしかしたら最後になるかもしれない。
無事に戻れる保証はないのだ。
「今、どこに?」
「上で救助作業を手伝っている」
そう言うと、ツォンは携帯を取り出した。
「レノには上の駅で待つように連絡しておく」
ツォンの好意をありがたく受け取り、ヒロインは心の底からお礼を言った。
「ツォンさん、どうかご無事で」
「ヒロインもな。絶対に戻ってくるんだぞ」
「はい」
ヒロインは人の流れに逆らい、プレート上に向かう電車に乗り込んだ。
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突然声を掛けられたヒロインは、びくっと身体を震わせた。
しかし、その声に聞き覚えがあったヒロインは、弾かれたように振り返った。
「ツォンさん!無事だったんですね!」
古代種の神殿で重傷を負ったツォンの元気そうな様子を見て、ヒロインはほっと息をついた。
「あぁ…それより、何故ここに?」
理由を問われたヒロインは、気恥ずかしくなって笑った。
「無くしたものを、確認したかったんです。決心を鈍らせないために。ツォンさんは、どうして…」
「私も、同じようなものだ。最後に見ておきたくなった」
そう言ったツォンの目は、真っ直ぐ花壇の一点を見つめていた。
きっと、ツォンも同じものを見ているに違いない。
花壇にかがみ、花の世話をする彼女の姿を。
ヒロインは邪魔をしないよう静かに一礼して、教会を出ようとした。
「ヒロイン、行くのか?」
ツォンに問われ、ヒロインは出口を前にして足を止めた。
「はい。最後にしないためにも。それに、彼女と約束しましたから」
「…そうか、そうだな」
振り返ったヒロインの目に、ふっと笑ったツォンが映った。
そのツォンは、5年前に兄のように慕っていた頃のツォンだった。
「ヒロイン、レノに会って行け。今、お前を血眼になって探している」
「レノに…」
会いたい。
ツォンにはああ言ったが、もしかしたら最後になるかもしれない。
無事に戻れる保証はないのだ。
「今、どこに?」
「上で救助作業を手伝っている」
そう言うと、ツォンは携帯を取り出した。
「レノには上の駅で待つように連絡しておく」
ツォンの好意をありがたく受け取り、ヒロインは心の底からお礼を言った。
「ツォンさん、どうかご無事で」
「ヒロインもな。絶対に戻ってくるんだぞ」
「はい」
ヒロインは人の流れに逆らい、プレート上に向かう電車に乗り込んだ。
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