1-5:Nightmare
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ヒロインはただ一人真っ白な空間を歩いていた。
辺り一面ただ白が広がっているだけで、足元には自分の影すらない。
歩いていると言うよりは浮いているような感覚の中、ヒロインはふらふらとひたすら前に進み続ける。
静寂と白の世界で、ヒロインは自分がひどく浮いた存在であるように感じた。
前へ前へと進み続けるヒロインの前に、赤い小さな点が現われた。
ぽつ。
ぽつ。
赤い雨が降ってきた。
ヒロインの身体を赤い雨が打つ。
ヒロインは唐突に、それが血であることを理解した。
金臭い味が口内に広がる。
血の雨は激しさを増し、世界を紅に染めた。
血でぬかるむ足元を気にする事無くヒロインは歩き続ける。
雨に打たれた身体は、いつしか消えてなくなった。
ヒロインを構成していた何もかもが消え失せた。
(これで、よかったのよね…?)
――思い出せ
ドクン。
――自分が、何のために作られたのか
(知らない…思い出したくない……思い出させないで!)
ヒロインはまた、白の世界を歩いていた。
但し先程と違うのは、世界の至る所に窓があること。
一つは暗闇。
一つは赤。
ヒロインは吸い寄せられるように、一つの窓に近づいた。
そこにあったのは、地獄絵図。
奇形の生物が殺し合うおぞましい光景。
飛び散る肉片と血。
みるみる辺りが赤く染まる。
ヒロインは幾度となく目を逸らそうとしたが、身体が言うことを聞かない。
この先は見てはいけない。
ヒロインの中の何かが警告する。
しかし、金縛りにあったかのように、身体はぴくりとも動かない。
ドクドクドク…
心臓が早鐘を打つ。
やがて、殺し合いが終わり、辺りは静寂に包まれた。
突然死体の中から現われた人間が、にやっと笑いヒロインの腕を掴んだ。
――もう、逃げられないよ
ヒロインは声にならない悲鳴を上げた。
.
辺り一面ただ白が広がっているだけで、足元には自分の影すらない。
歩いていると言うよりは浮いているような感覚の中、ヒロインはふらふらとひたすら前に進み続ける。
静寂と白の世界で、ヒロインは自分がひどく浮いた存在であるように感じた。
前へ前へと進み続けるヒロインの前に、赤い小さな点が現われた。
ぽつ。
ぽつ。
赤い雨が降ってきた。
ヒロインの身体を赤い雨が打つ。
ヒロインは唐突に、それが血であることを理解した。
金臭い味が口内に広がる。
血の雨は激しさを増し、世界を紅に染めた。
血でぬかるむ足元を気にする事無くヒロインは歩き続ける。
雨に打たれた身体は、いつしか消えてなくなった。
ヒロインを構成していた何もかもが消え失せた。
(これで、よかったのよね…?)
――思い出せ
ドクン。
――自分が、何のために作られたのか
(知らない…思い出したくない……思い出させないで!)
ヒロインはまた、白の世界を歩いていた。
但し先程と違うのは、世界の至る所に窓があること。
一つは暗闇。
一つは赤。
ヒロインは吸い寄せられるように、一つの窓に近づいた。
そこにあったのは、地獄絵図。
奇形の生物が殺し合うおぞましい光景。
飛び散る肉片と血。
みるみる辺りが赤く染まる。
ヒロインは幾度となく目を逸らそうとしたが、身体が言うことを聞かない。
この先は見てはいけない。
ヒロインの中の何かが警告する。
しかし、金縛りにあったかのように、身体はぴくりとも動かない。
ドクドクドク…
心臓が早鐘を打つ。
やがて、殺し合いが終わり、辺りは静寂に包まれた。
突然死体の中から現われた人間が、にやっと笑いヒロインの腕を掴んだ。
――もう、逃げられないよ
ヒロインは声にならない悲鳴を上げた。
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