2-21:終焉
ヒロイン
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ヒロインは風を感じた。
剥き出しの肌に寒風が刺さる。
ぶるっと身体を震わせたヒロインは、重い瞼を持ち上げた。
仰向けに寝かされていたヒロインの目に一番始めに映ったのは、空に浮かぶ不気味な赤い星だった。
今にも墜ちてきそうなこれが『メテオ』だろう。
セフィロスが呼んだ災厄だ。
それにしても、ここはどこなのか。
最後に覚えている場所――竜巻の迷宮ではないようだ。
ヒロインは身体を横向け、肘を付いて上半身を起こした。
そのおかげで、ここが何処なのかはっきりと分かった。
「ミッドガル…」
しかし、その象徴とも言える神羅ビルは、無残な姿を晒していた。
「何で…」
世界一の力を持つはずの神羅に、これほどまでの攻撃を加えられる相手をヒロインは知らなかった。
「教えようか?」
笑いを必死に堪えたような上ずった声が背後から聞こえた。
ヒロインは振り返り、相手を認めた瞬間、身体を強張らせた。
「宝条…」
不気味で陰気な男には、更に狂気が見え隠れしていた。
「これをやったのはウェポンだ。星が生み出した生物兵器…クククッ、素晴らしい…!」
気味の悪い声で笑う宝条は、既に常軌を逸しているとしか思えなかった。
ヒロインは宝条から目を離さず、ゆっくり立ち上がった。
嫌な予感がする。
「しかし、あれは私の作品ではない」
突然振り返った宝条の顔から、薄ら笑いが消えた。
濁った目で真っ直ぐヒロインを見る。
ヒロインは得体の知れない不安を抱き、さらに一歩下がった
宝条の口が、横ににぃっと開かれた。
「君と我が息子こそが私の作品だ。セフィロスと君が新世界のアダムとイブになるときが来たのだ!」
息子?
ヒロインは目を見開いた。
「セフィロスが…あなたの、息子?」
「ククッ…セフィロス、今から魔晄を――」
宝条が狂ったように笑った。
「待て!!」
懐かしい声が聞こえ、ヒロインは振り返った。
「クラウド!」
.
剥き出しの肌に寒風が刺さる。
ぶるっと身体を震わせたヒロインは、重い瞼を持ち上げた。
仰向けに寝かされていたヒロインの目に一番始めに映ったのは、空に浮かぶ不気味な赤い星だった。
今にも墜ちてきそうなこれが『メテオ』だろう。
セフィロスが呼んだ災厄だ。
それにしても、ここはどこなのか。
最後に覚えている場所――竜巻の迷宮ではないようだ。
ヒロインは身体を横向け、肘を付いて上半身を起こした。
そのおかげで、ここが何処なのかはっきりと分かった。
「ミッドガル…」
しかし、その象徴とも言える神羅ビルは、無残な姿を晒していた。
「何で…」
世界一の力を持つはずの神羅に、これほどまでの攻撃を加えられる相手をヒロインは知らなかった。
「教えようか?」
笑いを必死に堪えたような上ずった声が背後から聞こえた。
ヒロインは振り返り、相手を認めた瞬間、身体を強張らせた。
「宝条…」
不気味で陰気な男には、更に狂気が見え隠れしていた。
「これをやったのはウェポンだ。星が生み出した生物兵器…クククッ、素晴らしい…!」
気味の悪い声で笑う宝条は、既に常軌を逸しているとしか思えなかった。
ヒロインは宝条から目を離さず、ゆっくり立ち上がった。
嫌な予感がする。
「しかし、あれは私の作品ではない」
突然振り返った宝条の顔から、薄ら笑いが消えた。
濁った目で真っ直ぐヒロインを見る。
ヒロインは得体の知れない不安を抱き、さらに一歩下がった
宝条の口が、横ににぃっと開かれた。
「君と我が息子こそが私の作品だ。セフィロスと君が新世界のアダムとイブになるときが来たのだ!」
息子?
ヒロインは目を見開いた。
「セフィロスが…あなたの、息子?」
「ククッ…セフィロス、今から魔晄を――」
宝条が狂ったように笑った。
「待て!!」
懐かしい声が聞こえ、ヒロインは振り返った。
「クラウド!」
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