2-21:終焉
ヒロイン
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地下トンネルを抜け、零番街に出たレノたちは、呆然と神羅ビルを見上げた。
全壊とは言わないが、あちこちから黒い煙が上がり、窓ガラスが落ちた様は、神羅の終焉を予感させた。
空虚な気分で立ち尽くしていたレノの視界に、見知った人間が入り込んだ。
あれは、ヒロインを任せた看護師だ。
何故、ここにいる?
レノは眉をひそめた。
ヒロインをシェルターに移動させた後、自分だけシェルターを出たのだろうか。
しかし、ウェポンが迫る中、安全なシェルターから出るだろうか。
もやもやした不確かなものが沸き起こり、苛立ちを感じたレノは、大股で看護師に近づいた。
「おい。お前、何でこんなところにいるんだ?ヒロインは、どうした?」
矢継ぎ早に質問を投げると、看護師は驚いたように何度も瞬きを繰り返した。
反応の悪い看護師にレノは小さく舌打ちした。
「ヒロインは!?」
再度問うと、看護師は困ったように視線を逸らし、小声で言った。
「あの…命令が変わったと伺いましたが…」
「はぁ?」
そんな命令は出した覚えがない。
無意識のうちに凄むと、看護師は身体を震わせ、首を竦めた。
「いや、あの…宝条博士が、確かにそう仰いましたが」
自分に非はないとばかりに、看護師が言葉に力を込めた。
レノは、看護師の言葉で一気に血の気が引いた。
「宝条、が…?」
言い様のない不安がレノを襲った。
(あいつ…一体何を…)
思い当たる節はあった。
「まさか、ヒロインを…」
しかし、認めたくなかった。
セフィロスによってジェノバを奪われ、ようやく普通の身体になったヒロインを、再び実験材料として使うなど認めたくなかった。
「なぁ、ヒロインはどこに連れていかれた?」
一縷の望みを託して聞いてみたが、看護師は首を振るだけだった。
レノは絶望的な思いを抱えながら、空を仰ぎ見た。
黒煙と土埃に覆われた空には、一辺の希望も残されていなかった。
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全壊とは言わないが、あちこちから黒い煙が上がり、窓ガラスが落ちた様は、神羅の終焉を予感させた。
空虚な気分で立ち尽くしていたレノの視界に、見知った人間が入り込んだ。
あれは、ヒロインを任せた看護師だ。
何故、ここにいる?
レノは眉をひそめた。
ヒロインをシェルターに移動させた後、自分だけシェルターを出たのだろうか。
しかし、ウェポンが迫る中、安全なシェルターから出るだろうか。
もやもやした不確かなものが沸き起こり、苛立ちを感じたレノは、大股で看護師に近づいた。
「おい。お前、何でこんなところにいるんだ?ヒロインは、どうした?」
矢継ぎ早に質問を投げると、看護師は驚いたように何度も瞬きを繰り返した。
反応の悪い看護師にレノは小さく舌打ちした。
「ヒロインは!?」
再度問うと、看護師は困ったように視線を逸らし、小声で言った。
「あの…命令が変わったと伺いましたが…」
「はぁ?」
そんな命令は出した覚えがない。
無意識のうちに凄むと、看護師は身体を震わせ、首を竦めた。
「いや、あの…宝条博士が、確かにそう仰いましたが」
自分に非はないとばかりに、看護師が言葉に力を込めた。
レノは、看護師の言葉で一気に血の気が引いた。
「宝条、が…?」
言い様のない不安がレノを襲った。
(あいつ…一体何を…)
思い当たる節はあった。
「まさか、ヒロインを…」
しかし、認めたくなかった。
セフィロスによってジェノバを奪われ、ようやく普通の身体になったヒロインを、再び実験材料として使うなど認めたくなかった。
「なぁ、ヒロインはどこに連れていかれた?」
一縷の望みを託して聞いてみたが、看護師は首を振るだけだった。
レノは絶望的な思いを抱えながら、空を仰ぎ見た。
黒煙と土埃に覆われた空には、一辺の希望も残されていなかった。
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