先のウェポンの攻撃によって、地上は混乱を極めていた。



　ミッドガル市民だけでなく、軍にも動揺が広がっている。



　レノたちは地上から神羅ビルに向かうのは諦め、ミッドガルを縦横無尽に走る地下鉄トンネルを利用することにした。





「あ、先輩！」



　突然呼ばれたレノは、怪訝そうに眉をひそめてイリーナの声に振り返った。



「クラウドたちです！」



　レノは足を止め、ロッドを抜いた。





「よぉ、久しぶりだな、と」



　内心焦りながらも、レノはおどけた口調で言った。



　すると、クラウドがあからさまに不機嫌な顔をした。



「お前たちに構っている暇はない」



　言おうとしたセリフをクラウドに言われ、レノは口元をひくつかせた。



「それはこっちのセリフよ！」



　レノに代わって、血気盛んなイリーナが眉を吊り上げる。



　一触即発の空気が漂った。



　しかし、それをルードが止めた。



　手を上げてレノとイリーナを制する。



「お前たちの邪魔をしろと命令は受けていない。進みたければ、勝手に進め」



　確かにルードの言う通りだった。



　命令も受けていないのに戦う必要はない。



　レノはロッドを収めた。



「俺たちも暇じゃないんだぞ、と。じゃあな」



　さっさと行けと手を振り、レノは神羅ビルに向かって歩を進めた。



　その後にルードが続く。



　イリーナは不満そうだったが、「命拾いしたわね」と捨て台詞を残し、ついてきた。





「あいつら、一体何しに来たんですか？」



「さぁな」



　イリーナとルードのやり取りを聞きながら、レノも改めて疑問に思った。



　しかし、本社と連絡が付かない以上、考えていても仕方がない。



「あいつらには、あいつらの仕事がある。俺たちは、俺たちの仕事をするだけだ」



　レノたちは先を急いだ。



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