2-21:終焉
ヒロイン
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神羅ビル内の特別ブロックにある病室――そこは、ひっそりと静まり返っていた。
コツコツ…と響く自分の足音を聞きながら、レノは真っ直ぐ奥の病室に向かって歩いていた。
その足音は、お世辞にも軽快とは言い難い。
寧ろその逆だった。
目的の病室が近づくにつれ、レノの足の運びは鈍くなった。
しかし、歩みを止めることはない。
『ヒロインが目を覚ます』という奇跡を信じているからだ。
不安と希望――相反する二つの思いを抱え、レノは病室の扉を開けた。
シュー…
シュー…
規則正しい呼吸器の音に、レノは落胆せずにはいられなかった。
「ヒロイン…」
それでも、レノはヒロインを呼んだ。
一縷の望みを掛けて。
だが、返ってきたのは、変わらない呼吸器の音だけだった。
レノは小さく溜息をつくと、ヒロインのベッドに近づいた。
無数の管に繋がれ、生かされているヒロインの姿は、やはり見るに耐えなかった。
レノは思わず顔をしかめた。
これは、本当にヒロインが望んでいることなのだろうか、と。
こんな姿になってまで――
こんな状態で命を繋いで――
本当にヒロインは、満足なのだろうか。
その時、ふと竜巻の迷宮での出来事を思い出した。
『大丈夫』と言った声。
『エアリス』と確かに動いたヒロインの唇。
それらを合わせて考えた時、レノの中に一つ答えが生まれた。
「あいつが、ヒロインを助けたのか…?」
『古代種』という不思議な力を持った種族だった彼女なら、不可能ではないのかもしれない。
そして、ヒロインは『生きたい』と願っている。
レノはそっとヒロインの手を取った。
その手はやはり白かったが、温もりがあった。
それは、ヒロインが生きている証でもあった。
「ヒロイン、待ってるぞ、と」
そうレノが言うと、微かにヒロインの口元に笑みが浮かんだように見えた。
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コツコツ…と響く自分の足音を聞きながら、レノは真っ直ぐ奥の病室に向かって歩いていた。
その足音は、お世辞にも軽快とは言い難い。
寧ろその逆だった。
目的の病室が近づくにつれ、レノの足の運びは鈍くなった。
しかし、歩みを止めることはない。
『ヒロインが目を覚ます』という奇跡を信じているからだ。
不安と希望――相反する二つの思いを抱え、レノは病室の扉を開けた。
シュー…
シュー…
規則正しい呼吸器の音に、レノは落胆せずにはいられなかった。
「ヒロイン…」
それでも、レノはヒロインを呼んだ。
一縷の望みを掛けて。
だが、返ってきたのは、変わらない呼吸器の音だけだった。
レノは小さく溜息をつくと、ヒロインのベッドに近づいた。
無数の管に繋がれ、生かされているヒロインの姿は、やはり見るに耐えなかった。
レノは思わず顔をしかめた。
これは、本当にヒロインが望んでいることなのだろうか、と。
こんな姿になってまで――
こんな状態で命を繋いで――
本当にヒロインは、満足なのだろうか。
その時、ふと竜巻の迷宮での出来事を思い出した。
『大丈夫』と言った声。
『エアリス』と確かに動いたヒロインの唇。
それらを合わせて考えた時、レノの中に一つ答えが生まれた。
「あいつが、ヒロインを助けたのか…?」
『古代種』という不思議な力を持った種族だった彼女なら、不可能ではないのかもしれない。
そして、ヒロインは『生きたい』と願っている。
レノはそっとヒロインの手を取った。
その手はやはり白かったが、温もりがあった。
それは、ヒロインが生きている証でもあった。
「ヒロイン、待ってるぞ、と」
そうレノが言うと、微かにヒロインの口元に笑みが浮かんだように見えた。
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