2-21:終焉
ヒロイン
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あの日から、世界は滅亡への坂道を転がり落ちていた。
空に浮かぶ赤い星は、日に日に大きさを増していた。
それに呼応するかのように、世界の恐怖と不安が膨れ上がっていった。
そしてそれは、次第に神羅カンパニーへの不満に変わっていった。
この状況を打開するため、ハイデッカーとスカーレットは、アバランチを公開処刑すると世界に宣言した。
この一連の混乱を引き起こした首謀者として。
しかし、一味にはまんまと逃げられ恥を上塗ったばかりか、神羅への不満を増大させる散々な結果に終わった。
世界は大きく動いていた。
動き続けていた。
だが、レノとヒロインの時間は、あの日、あの瞬間から止まっていた。
瀕死のヒロインを抱き、レノは恐怖に震えていた。
ヒロインの命が流れていくのを、はっきりと感じていたからだ。
回復魔法をかけ続けても、止めることができない。
ヒロインの命が止まる瞬間を遅らせているに過ぎなかった。
周囲では、セフィロスやクラウドたちが何やらやりとりをしていたが、もうレノには関係なかった。
ヒロインがいない世界など、もう必要ない。
どうなろうと、最早関係ない。
ヒロインの呼吸が、少なくなっていく。
心臓の鼓動が、小さくなっていく。
「ダメだ…!ヒロイン、目ぇ覚ませ…」
レノは、生まれて初めて祈った。
神か、はたまた悪魔にか。
ヒロインを救ってくれるなら、何でもいい。
必要なら、喜んで自分の命を差し出してやる。
だから――
「死ぬな、ヒロイン!」
――大丈夫。
レノは、はっとして顔を上げた。
しかし、そこには誰もいなかった。
空耳か。
何かに縋ろうとした弱い心が生んだ幻聴に違いない。
レノは俯き、口元を歪ませた。
その時、確かにヒロインの唇が動いた。
ゆっくり『エアリス』と。
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空に浮かぶ赤い星は、日に日に大きさを増していた。
それに呼応するかのように、世界の恐怖と不安が膨れ上がっていった。
そしてそれは、次第に神羅カンパニーへの不満に変わっていった。
この状況を打開するため、ハイデッカーとスカーレットは、アバランチを公開処刑すると世界に宣言した。
この一連の混乱を引き起こした首謀者として。
しかし、一味にはまんまと逃げられ恥を上塗ったばかりか、神羅への不満を増大させる散々な結果に終わった。
世界は大きく動いていた。
動き続けていた。
だが、レノとヒロインの時間は、あの日、あの瞬間から止まっていた。
瀕死のヒロインを抱き、レノは恐怖に震えていた。
ヒロインの命が流れていくのを、はっきりと感じていたからだ。
回復魔法をかけ続けても、止めることができない。
ヒロインの命が止まる瞬間を遅らせているに過ぎなかった。
周囲では、セフィロスやクラウドたちが何やらやりとりをしていたが、もうレノには関係なかった。
ヒロインがいない世界など、もう必要ない。
どうなろうと、最早関係ない。
ヒロインの呼吸が、少なくなっていく。
心臓の鼓動が、小さくなっていく。
「ダメだ…!ヒロイン、目ぇ覚ませ…」
レノは、生まれて初めて祈った。
神か、はたまた悪魔にか。
ヒロインを救ってくれるなら、何でもいい。
必要なら、喜んで自分の命を差し出してやる。
だから――
「死ぬな、ヒロイン!」
――大丈夫。
レノは、はっとして顔を上げた。
しかし、そこには誰もいなかった。
空耳か。
何かに縋ろうとした弱い心が生んだ幻聴に違いない。
レノは俯き、口元を歪ませた。
その時、確かにヒロインの唇が動いた。
ゆっくり『エアリス』と。
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