2-20:破滅
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「ヒロインは、どうした?」
ヒロインは自分の胸を指差し、くすりと笑った。
「中にいるわ。もうすぐ消えちゃうけど」
ヒロインの言葉に、レノはぴくっと反応した。
僅かでもヒロインが残っているなら、まだ救えるかもしれない。
その思いが、レノの決心を鈍らせた。
「――バカね」
ヒロインがレノの心の迷いを見透かしたかのように嘲笑した。
「『ヒロイン』を助けられるなんて思わないことね。あんたさえ殺したら、この身体と力は完全に私のもの。だから――」
(来る…!)
レノはロッドを目の前で掲げるように構えた。
「――死ね!!」
振り下ろされたヒロインの刀を、レノはロッドで受けた。
(重い!)
筋肉が軋む。
あまりの負荷に腕が震え出した。
到底女の力とは思えない。
このままでは、やられる。
レノはバングルのマテリアを見た。
「ブリザド!」
マテリアが淡い光を放つ。
ヒロインがはっとしたように、レノのバングルに視線を動かした。
「ちっ!」
自分に向けて放たれた冷気を避け、ヒロインはレノから離れた。
「こざかしい真似を…」
ヒロインは忌々しげに舌打ちした。
一方レノは、なんとか窮地を脱することができ、息をついた。
しかし、今回のような不意打ちは、次は成功しない。
さらに、一度攻撃を受けただけで、かなり息が上がる。
(これは不味いぞ、と)
レノはぎりっと唇を噛んだ。
「まだこの女を助けるつもりか。甘いな、どこまでも」
ヒロインがレノを鼻で笑った。
「あぁ、同感だぞ、と。けど、ヒロインと約束したからな」
ヒロインの左手が、真っ直ぐレノに向けられた。
「くだらないな。せいぜい自分の甘さをあの世で悔やめ」
レノは、死を覚悟した。
(悪ぃな、ヒロイン…)
.
ヒロインは自分の胸を指差し、くすりと笑った。
「中にいるわ。もうすぐ消えちゃうけど」
ヒロインの言葉に、レノはぴくっと反応した。
僅かでもヒロインが残っているなら、まだ救えるかもしれない。
その思いが、レノの決心を鈍らせた。
「――バカね」
ヒロインがレノの心の迷いを見透かしたかのように嘲笑した。
「『ヒロイン』を助けられるなんて思わないことね。あんたさえ殺したら、この身体と力は完全に私のもの。だから――」
(来る…!)
レノはロッドを目の前で掲げるように構えた。
「――死ね!!」
振り下ろされたヒロインの刀を、レノはロッドで受けた。
(重い!)
筋肉が軋む。
あまりの負荷に腕が震え出した。
到底女の力とは思えない。
このままでは、やられる。
レノはバングルのマテリアを見た。
「ブリザド!」
マテリアが淡い光を放つ。
ヒロインがはっとしたように、レノのバングルに視線を動かした。
「ちっ!」
自分に向けて放たれた冷気を避け、ヒロインはレノから離れた。
「こざかしい真似を…」
ヒロインは忌々しげに舌打ちした。
一方レノは、なんとか窮地を脱することができ、息をついた。
しかし、今回のような不意打ちは、次は成功しない。
さらに、一度攻撃を受けただけで、かなり息が上がる。
(これは不味いぞ、と)
レノはぎりっと唇を噛んだ。
「まだこの女を助けるつもりか。甘いな、どこまでも」
ヒロインがレノを鼻で笑った。
「あぁ、同感だぞ、と。けど、ヒロインと約束したからな」
ヒロインの左手が、真っ直ぐレノに向けられた。
「くだらないな。せいぜい自分の甘さをあの世で悔やめ」
レノは、死を覚悟した。
(悪ぃな、ヒロイン…)
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