2-20:破滅
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「来てくれたのね、レノ」
耳に届いた心地よい声に、レノの心が震えた。
その声を聞きたかったはずだった。
無事な姿を見たいと思っていたはずだった。
しかし、この再会が、素直な喜びをレノにもたらすはずはなかった。
決断の時が、来た。
もし、ヒロインが『ヒロイン』でないとしたら――
いや、恐らくもうヒロインはいない。
セフィロスに攫われ、何もなくこの場にいられるはずがないのだから。
「ヒロイン…」
名前を呼ばれてヒロインが微笑んだ。
そのヒロインの純粋な喜びの表情が、レノの心を締め付ける。
ヒロインの生死の判断を背負ったプレッシャーのせいか、手の平に浮いた汗がロッドの握りを弱めた。
レノは手の汗をスラックスで拭い、ロッドを握り直した。
そして、ルードに向かって言った。
「先に行っててくれ」
「あぁ…」
ルードは心得顔で頷き、レノ一人を残して先に進んでいった。
「ヒロインは、どうしたんだ?」
レノが問うと、ヒロインが困惑したような表情を浮かべた。
「何を――」
はぐらかすかのような笑いを浮かべ、ヒロインが言った。
あくまで『ヒロイン』を装う姿が白々しい。
(やっぱり、ヒロインじゃない…)
レノはロッドの先をヒロインに向けた。
「ジェノバ、なんだろ?」
レノがそう言い放つと、ヒロインの顔から笑みが消えた。
「なぁんだ、気付いてたの」
一転してつまらなそうな顔をして、ヒロインが言った。
「『ヒロインに殺された』って絶望しながら、死んでほしかったのに」
ヒロインが大きな溜息をつくと同時に、その手にセフィロス同様の長刀が握られ、隠されていたヒロインの殺気が解放された。
今まで誰かと対峙し、これほど恐怖を感じたことはない。
殺すつもりでいかないと、こっちが殺される。
レノは、ごくりと唾を飲んだ。
(ヒロイン…)
レノはロッドを得意な形に構えた。
.
耳に届いた心地よい声に、レノの心が震えた。
その声を聞きたかったはずだった。
無事な姿を見たいと思っていたはずだった。
しかし、この再会が、素直な喜びをレノにもたらすはずはなかった。
決断の時が、来た。
もし、ヒロインが『ヒロイン』でないとしたら――
いや、恐らくもうヒロインはいない。
セフィロスに攫われ、何もなくこの場にいられるはずがないのだから。
「ヒロイン…」
名前を呼ばれてヒロインが微笑んだ。
そのヒロインの純粋な喜びの表情が、レノの心を締め付ける。
ヒロインの生死の判断を背負ったプレッシャーのせいか、手の平に浮いた汗がロッドの握りを弱めた。
レノは手の汗をスラックスで拭い、ロッドを握り直した。
そして、ルードに向かって言った。
「先に行っててくれ」
「あぁ…」
ルードは心得顔で頷き、レノ一人を残して先に進んでいった。
「ヒロインは、どうしたんだ?」
レノが問うと、ヒロインが困惑したような表情を浮かべた。
「何を――」
はぐらかすかのような笑いを浮かべ、ヒロインが言った。
あくまで『ヒロイン』を装う姿が白々しい。
(やっぱり、ヒロインじゃない…)
レノはロッドの先をヒロインに向けた。
「ジェノバ、なんだろ?」
レノがそう言い放つと、ヒロインの顔から笑みが消えた。
「なぁんだ、気付いてたの」
一転してつまらなそうな顔をして、ヒロインが言った。
「『ヒロインに殺された』って絶望しながら、死んでほしかったのに」
ヒロインが大きな溜息をつくと同時に、その手にセフィロス同様の長刀が握られ、隠されていたヒロインの殺気が解放された。
今まで誰かと対峙し、これほど恐怖を感じたことはない。
殺すつもりでいかないと、こっちが殺される。
レノは、ごくりと唾を飲んだ。
(ヒロイン…)
レノはロッドを得意な形に構えた。
.