2-20:破滅
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アイシクルロッジから戻ったイリーナの報告は、クラウドたちが更に北に向かったというものだった。
ルーファウスの指示を受け、飛空艇もクラウドたちを追って北に向かった。
「まさに『約束の地』の名にふさわしいな」
外を眺めていたルーファウスの口元が緩む。
そうなるのも無理はない話だった。
外は絶えることなく魔晄が吹き出している。
ここは、ミッドガルなど比べものにならないくらい豊かな土地だった。
しかしレノは、ルーファウスとは対照的に、とても喜ぶ気になれなかった。
ここが約束の地なら、セフィロスはここにいる。
そして、ヒロインも。
決断しなければならない時は、すぐそこまで来ていた。
「レノ、降りるぞ」
唐突にルーファウスから命じられ、レノは眉根を寄せた。
謹慎を告げた口で、今度は付いて来いと言う。
そのルーファウスの意図が、全く見えない。
レノが黙っていると、ルーファウスがふっと笑った。
「ヒロインのことは、お前に任せよう。我々は、一切手を出さない」
それは、ヒロインの生死をレノが決めるということ。
レノにとっては、最も残酷な命令だった。
いっそ、『殺せ』と命じられる方が気が楽だったろう。
ヒロインを殺すことになっても『命令だった』と、自分に言い訳もできるのだから。
しかし、ルーファウスは、その逃げ道さえもレノから奪った。
自らの手でケリを着けることを強いられ、レノは決心が付かないまま首を縦に振った。
「では、降りるとしようか」
すっとレノから目を逸らしたルーファウスが先頭になり、飛空艇を降りた。
その最後尾を歩きながら、レノは一人ヒロインに思いを馳せた。
初めてうちに来たときは、楽しそうに笑っていた。
苦しい胸の内を吐露し、泣いたヒロインを抱き締めたあの感覚は、今でも忘れられない。
初めてのキスも逢瀬も、ヒロインの場合は特別だった。
(俺は――)
レノは手に馴染んだロッドの柄をきつく握った。
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ルーファウスの指示を受け、飛空艇もクラウドたちを追って北に向かった。
「まさに『約束の地』の名にふさわしいな」
外を眺めていたルーファウスの口元が緩む。
そうなるのも無理はない話だった。
外は絶えることなく魔晄が吹き出している。
ここは、ミッドガルなど比べものにならないくらい豊かな土地だった。
しかしレノは、ルーファウスとは対照的に、とても喜ぶ気になれなかった。
ここが約束の地なら、セフィロスはここにいる。
そして、ヒロインも。
決断しなければならない時は、すぐそこまで来ていた。
「レノ、降りるぞ」
唐突にルーファウスから命じられ、レノは眉根を寄せた。
謹慎を告げた口で、今度は付いて来いと言う。
そのルーファウスの意図が、全く見えない。
レノが黙っていると、ルーファウスがふっと笑った。
「ヒロインのことは、お前に任せよう。我々は、一切手を出さない」
それは、ヒロインの生死をレノが決めるということ。
レノにとっては、最も残酷な命令だった。
いっそ、『殺せ』と命じられる方が気が楽だったろう。
ヒロインを殺すことになっても『命令だった』と、自分に言い訳もできるのだから。
しかし、ルーファウスは、その逃げ道さえもレノから奪った。
自らの手でケリを着けることを強いられ、レノは決心が付かないまま首を縦に振った。
「では、降りるとしようか」
すっとレノから目を逸らしたルーファウスが先頭になり、飛空艇を降りた。
その最後尾を歩きながら、レノは一人ヒロインに思いを馳せた。
初めてうちに来たときは、楽しそうに笑っていた。
苦しい胸の内を吐露し、泣いたヒロインを抱き締めたあの感覚は、今でも忘れられない。
初めてのキスも逢瀬も、ヒロインの場合は特別だった。
(俺は――)
レノは手に馴染んだロッドの柄をきつく握った。
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