2-20:破滅
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予定時刻通りに到着した飛空艇に乗り込んだレノは、無言でブリッジに入った。
(俺が、行かせなければ…)
あれから、レノは自責の念に駆られていた。
無理にでもヒロインを止めていれば、セフィロスにさらわれることもなかったと。
今はただ、ヒロインの無事を祈ることしかできないのが辛い。
「貴様!誰があれを逃がしていいと言った!?」
突然、ハイデッカーがレノの胸ぐらを掴んだ。
乱暴に身体を揺すられ、一瞬、思考が飛ぶ。
が、ヒロインを『あれ』呼ばわりされたことが、レノの逆鱗に触れた。
レノはハイデッカーが上司であることを忘れ、鋭く睨み付けた。
すると、ハイデッカーが怯んだ様子を見せ、僅かに力が弱まり、揺さぶりが止む。
レノは、声を低くして言った。
「…放してもらえますか?」
「貴様…!」
怯んだことを誤魔化すかのように、ハイデッカーが吠えた。
それが余計にレノの癇に触る。
吠えるしか能がない弱い犬は黙っていろ。
レノは、口の端を持ち上げた。
「やめろ、レノ」
ぽん、と肩に置かれたルードの手の重みで、レノは我に返った。
「私の前で醜い争いはやめたまえ」
ルーファウスが手を伸ばし、ハイデッカーを制す。
「過ぎたことを言っても仕方がないだろう。セフィロスがヒロインの力で黒マテリアを使う前に、処理すればいいだけの話だ」
(処理?まさか――)
レノの思考を感じ取ったのか、ルーファウスが目を細めた。
「脅威は可能な限り取り除く。しかしレノ、君はしばらく追跡任務を外れてもらう。飛空艇から出ることも禁止だ」
レノはきつく拳を握った。
『処理する』ということは、『殺す』ということ。
ルーファウスは初めからレノには無理だと踏み、敢えて作戦から外したに違いない。
「…了解、と」
ハイデッカーの手を払い、襟を正すと、レノはブリッジを出た。
イリーナにアイシクルロッジに向かうよう命じる、ルーファウスの声を背中で聞きながら。
.
(俺が、行かせなければ…)
あれから、レノは自責の念に駆られていた。
無理にでもヒロインを止めていれば、セフィロスにさらわれることもなかったと。
今はただ、ヒロインの無事を祈ることしかできないのが辛い。
「貴様!誰があれを逃がしていいと言った!?」
突然、ハイデッカーがレノの胸ぐらを掴んだ。
乱暴に身体を揺すられ、一瞬、思考が飛ぶ。
が、ヒロインを『あれ』呼ばわりされたことが、レノの逆鱗に触れた。
レノはハイデッカーが上司であることを忘れ、鋭く睨み付けた。
すると、ハイデッカーが怯んだ様子を見せ、僅かに力が弱まり、揺さぶりが止む。
レノは、声を低くして言った。
「…放してもらえますか?」
「貴様…!」
怯んだことを誤魔化すかのように、ハイデッカーが吠えた。
それが余計にレノの癇に触る。
吠えるしか能がない弱い犬は黙っていろ。
レノは、口の端を持ち上げた。
「やめろ、レノ」
ぽん、と肩に置かれたルードの手の重みで、レノは我に返った。
「私の前で醜い争いはやめたまえ」
ルーファウスが手を伸ばし、ハイデッカーを制す。
「過ぎたことを言っても仕方がないだろう。セフィロスがヒロインの力で黒マテリアを使う前に、処理すればいいだけの話だ」
(処理?まさか――)
レノの思考を感じ取ったのか、ルーファウスが目を細めた。
「脅威は可能な限り取り除く。しかしレノ、君はしばらく追跡任務を外れてもらう。飛空艇から出ることも禁止だ」
レノはきつく拳を握った。
『処理する』ということは、『殺す』ということ。
ルーファウスは初めからレノには無理だと踏み、敢えて作戦から外したに違いない。
「…了解、と」
ハイデッカーの手を払い、襟を正すと、レノはブリッジを出た。
イリーナにアイシクルロッジに向かうよう命じる、ルーファウスの声を背中で聞きながら。
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