2-20:破滅
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落ちていく…
深い深い、光の届かないところへ。
研究員の身体が、どんどん冷たくなっていく。
ザックスの身体から流れ出た血が、大地を赤く染め上げる。
エアリスの身体が、力なく崩折れた。
――ごめんね
研究員が寂しそうに笑う。
――ヒロインちゃん、レノのこと頼むな
ザックスが、気丈に笑う。
――ヒロインは、幸せになってね
エアリスが、ふわりと笑った。
私…もう笑えない――
そう言葉を紡ごうとしたが、音にならなかった。
何故なら、身体がないから。
悲しいのに、泣けない。
苦しいのに、叫べない。
失いたくないから、手を伸ばして掴みたいのに、繋ぎ留めたいのに、そうできる手もない。
何もない。
全て、失ってしまった。
消えていく…
一つずつ、ゆっくりと、黒く塗り潰されていく。
大切な人を失った、悲しみも。
大事な人を傷つけた、苦しさも。
大切な人を傷つけられた怒りも。
自由を手に入れた喜びも。
仲間と一緒にいたときの楽しさも。
愛する人と心通わせた幸せも。
何もかも全て、消えた。
もう、何も見えない。
自分自身すらも。
私は、誰?
――!!
わからない…
私には、もう…
何も、ないの。
でも、『私』だったものをあなたが覚えていてくれるなら――
『あなた』?
それは、誰?
そういえば、大事な何かが――
『あなた』と『私』を繋ぐ何かが、あった気がする。
きっと、それは――
.
深い深い、光の届かないところへ。
研究員の身体が、どんどん冷たくなっていく。
ザックスの身体から流れ出た血が、大地を赤く染め上げる。
エアリスの身体が、力なく崩折れた。
――ごめんね
研究員が寂しそうに笑う。
――ヒロインちゃん、レノのこと頼むな
ザックスが、気丈に笑う。
――ヒロインは、幸せになってね
エアリスが、ふわりと笑った。
私…もう笑えない――
そう言葉を紡ごうとしたが、音にならなかった。
何故なら、身体がないから。
悲しいのに、泣けない。
苦しいのに、叫べない。
失いたくないから、手を伸ばして掴みたいのに、繋ぎ留めたいのに、そうできる手もない。
何もない。
全て、失ってしまった。
消えていく…
一つずつ、ゆっくりと、黒く塗り潰されていく。
大切な人を失った、悲しみも。
大事な人を傷つけた、苦しさも。
大切な人を傷つけられた怒りも。
自由を手に入れた喜びも。
仲間と一緒にいたときの楽しさも。
愛する人と心通わせた幸せも。
何もかも全て、消えた。
もう、何も見えない。
自分自身すらも。
私は、誰?
――!!
わからない…
私には、もう…
何も、ないの。
でも、『私』だったものをあなたが覚えていてくれるなら――
『あなた』?
それは、誰?
そういえば、大事な何かが――
『あなた』と『私』を繋ぐ何かが、あった気がする。
きっと、それは――
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