2-19:喪失
ヒロイン
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「いやあぁぁ!」
ザックスに向けられた大量の銃口。
荒野に轟いた無情な銃声の嵐。
全てを思い出したヒロインは、耳を押さえて蹲った。
「母のところへ行く途中だったそうだな。あれのせいで、お前は自我を取り戻してしまった」
セフィロスがヒロインの顎を掴んだ。
「いや、いっそ自我など戻らなければ、幸せだったかもしれないな」
セフィロスの目は、エアリスに向けられていた。
そうだ。
あのままでいたなら――
辛い思いをしなくてすんだ。
ヒロインは、ぽろぽろ涙を流した。
「自我が、戻らなければ――」
「そう、幸せだった」
セフィロスが両手で優しくヒロインの頬を包んだ。
「幸せ…?」
「あぁ」
気が付けば、セフィロスの魔晄色の瞳に見つめられていた。
ヒロインはぼんやりと、その瞳の奥にあるものを見つめていた。
「お前から全てを取り除いてやろう」
悲しみも、痛みも――
幸せも。
セフィロスが、にやりと笑った。
(ダメ!!)
ヒロインの頭が、危険だと告げる。
しかし、身体はぴくりとも動かない。
セフィロスの目に囚われ、逃げることは適わなかった。
「少し遊ばせすぎた――が、それももう終わりだ」
セフィロスの瞳が妖しく光る。
見てはいけないとわかっているのに、目が離せない。
消えていく――
辛い記憶が。
忘れたい過去が。
幸せだった思い出も。
そして、大切な約束も。
何もかも、黒く塗り潰されていく――
(レノ…)
――必ず、戻るから
ぴくっと、レノの身体が何かに反応した。
ざわざわする。
落ち着かない。
嫌な予感特有のそれに、レノは不安を募らせた。
「ヒロイン――帰って、くるよな?」
レノはヒロインがいるだろう北の方向に視線を向けた。
To be continued...
2008/12/24
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ザックスに向けられた大量の銃口。
荒野に轟いた無情な銃声の嵐。
全てを思い出したヒロインは、耳を押さえて蹲った。
「母のところへ行く途中だったそうだな。あれのせいで、お前は自我を取り戻してしまった」
セフィロスがヒロインの顎を掴んだ。
「いや、いっそ自我など戻らなければ、幸せだったかもしれないな」
セフィロスの目は、エアリスに向けられていた。
そうだ。
あのままでいたなら――
辛い思いをしなくてすんだ。
ヒロインは、ぽろぽろ涙を流した。
「自我が、戻らなければ――」
「そう、幸せだった」
セフィロスが両手で優しくヒロインの頬を包んだ。
「幸せ…?」
「あぁ」
気が付けば、セフィロスの魔晄色の瞳に見つめられていた。
ヒロインはぼんやりと、その瞳の奥にあるものを見つめていた。
「お前から全てを取り除いてやろう」
悲しみも、痛みも――
幸せも。
セフィロスが、にやりと笑った。
(ダメ!!)
ヒロインの頭が、危険だと告げる。
しかし、身体はぴくりとも動かない。
セフィロスの目に囚われ、逃げることは適わなかった。
「少し遊ばせすぎた――が、それももう終わりだ」
セフィロスの瞳が妖しく光る。
見てはいけないとわかっているのに、目が離せない。
消えていく――
辛い記憶が。
忘れたい過去が。
幸せだった思い出も。
そして、大切な約束も。
何もかも、黒く塗り潰されていく――
(レノ…)
――必ず、戻るから
ぴくっと、レノの身体が何かに反応した。
ざわざわする。
落ち着かない。
嫌な予感特有のそれに、レノは不安を募らせた。
「ヒロイン――帰って、くるよな?」
レノはヒロインがいるだろう北の方向に視線を向けた。
To be continued...
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