2-19:喪失
ヒロイン
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エアリスから流れ落ちた血が、刀を伝い、祭壇を赤く染めた。
エアリスの頭が、がくっと下を向く。
祈るように固く結ばれていた手は解け、だらりと力なく垂れた。
カラン――
カラン――
何かが転がり落ちていく。
ぽちゃん。
それは、小さな水音を立て、沈んだ。
「エア、リス…?」
声が震えた。
嘘だと、言ってほしかった。
セフィロスが、刀を抜いた。
刀で縫い止められていたエアリスの身体が、どさりと地面に落ちる。
動かない。
何故?
また、笑ってみせて――
クラウドがエアリスを抱き起こした。
何か、セフィロスに言っている。
聞こえない。
抱き起こされたエアリスの顔は、恐ろしいまでに白かった。
ぐっしょりと赤く濡れた服が、それをより際立たせていた。
それは、死。
大事な人が、また一人、いなくなった。
「っ…セフィロス!!」
ヒロインは、あらんかぎりの声で叫んだ。
セフィロスがこちらを向き、不敵に笑う。
ヒロインは地面に突き刺さっていたクラウドの大剣を抜いた。
そして、迷わずセフィロスに切り掛かった。
大きく振りかぶり、セフィロスの頭目がけて、それを振り下ろした。
殺意の籠もった一振りだった。
しかし、セフィロスは軽々とそれを躱し、足で剣先を押さえ付けた。
「また、見ていただけだったな」
顔を上げたセフィロスと、目が合った。
「見ていた、だけ…?」
何を?
「大切だったのだろう?彼も」
『彼』?
ヒロインはセフィロスの視線を追い、下を向いた。
その先にあったのは、クラウドの大剣。
ヒロインはそれに見覚えがあった。
忘れるはずがない。
それは、5年前助けに来てくれたザックスの大剣だった。
「見て、た――」
ヒロインは愕然とした。
数ヶ月前、確かに見た。
ザックスが死ぬ瞬間を。
.
エアリスの頭が、がくっと下を向く。
祈るように固く結ばれていた手は解け、だらりと力なく垂れた。
カラン――
カラン――
何かが転がり落ちていく。
ぽちゃん。
それは、小さな水音を立て、沈んだ。
「エア、リス…?」
声が震えた。
嘘だと、言ってほしかった。
セフィロスが、刀を抜いた。
刀で縫い止められていたエアリスの身体が、どさりと地面に落ちる。
動かない。
何故?
また、笑ってみせて――
クラウドがエアリスを抱き起こした。
何か、セフィロスに言っている。
聞こえない。
抱き起こされたエアリスの顔は、恐ろしいまでに白かった。
ぐっしょりと赤く濡れた服が、それをより際立たせていた。
それは、死。
大事な人が、また一人、いなくなった。
「っ…セフィロス!!」
ヒロインは、あらんかぎりの声で叫んだ。
セフィロスがこちらを向き、不敵に笑う。
ヒロインは地面に突き刺さっていたクラウドの大剣を抜いた。
そして、迷わずセフィロスに切り掛かった。
大きく振りかぶり、セフィロスの頭目がけて、それを振り下ろした。
殺意の籠もった一振りだった。
しかし、セフィロスは軽々とそれを躱し、足で剣先を押さえ付けた。
「また、見ていただけだったな」
顔を上げたセフィロスと、目が合った。
「見ていた、だけ…?」
何を?
「大切だったのだろう?彼も」
『彼』?
ヒロインはセフィロスの視線を追い、下を向いた。
その先にあったのは、クラウドの大剣。
ヒロインはそれに見覚えがあった。
忘れるはずがない。
それは、5年前助けに来てくれたザックスの大剣だった。
「見て、た――」
ヒロインは愕然とした。
数ヶ月前、確かに見た。
ザックスが死ぬ瞬間を。
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