2-19:喪失
ヒロイン
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――どうして、泣いているの?
わからない。
苦しい。
――もう、大丈夫。
――私が、守るから。
何を?
――皆を。
――私にしか、できないの。
――だから、心配しないで。
――ヒロインは、幸せになってね
行っちゃダメ!
お願い…!
エアリス――
ヒロインは、がばっと身体を起こした。
前に伸ばした手は、空を掴んだ。
(夢…?)
それにしては、あまりにリアルだった。
悲しくて辛くて、自然と涙が溢れてくる。
エアリスと話していた感覚も残っている。
それがヒロインを余計に落ち着かなくさせた。
エアリスが何かを伝えたくて来たのだとしたら…?
そう考えると、居ても立ってもいられなかった。
ヒロインは隣で眠るレノを起こさないように、そっとベッドを抜け出そうとした。
「ん…ヒロイン?」
何かを感じ取ったかのように、レノが目を覚ました。
「きゃ…」
突然のことに驚いたヒロインはバランスを崩し、レノの上に倒れこんだ。
「っ痛…」
思い切りぶつかったこともあり、痛みにレノが顔をしかめた。
「ご、ごめんなさい!」
ヒロインは慌てて起き上がろうとしたが、そこをレノに捕まってしまった。
「何で泣いてるんだ?」
レノの指が下瞼の涙を拭った。
「わからない…でも、行かなきゃ」
レノが怪訝な顔をした。
「行くって、どこに――」
ヒロインは自問した。
どこへ、行くのか。
その答えは、予め用意されていたかのように、ヒロインの口に上った。
「エアリスのところ――」
ヒロインがそう言うと、レノは一層眉をひそめた。
「分かるの。早く行かなきゃ…」
何か取り返しのつかないことが起きてしまう。
確信に近いものを抱き、ヒロインは北を見た。
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わからない。
苦しい。
――もう、大丈夫。
――私が、守るから。
何を?
――皆を。
――私にしか、できないの。
――だから、心配しないで。
――ヒロインは、幸せになってね
行っちゃダメ!
お願い…!
エアリス――
ヒロインは、がばっと身体を起こした。
前に伸ばした手は、空を掴んだ。
(夢…?)
それにしては、あまりにリアルだった。
悲しくて辛くて、自然と涙が溢れてくる。
エアリスと話していた感覚も残っている。
それがヒロインを余計に落ち着かなくさせた。
エアリスが何かを伝えたくて来たのだとしたら…?
そう考えると、居ても立ってもいられなかった。
ヒロインは隣で眠るレノを起こさないように、そっとベッドを抜け出そうとした。
「ん…ヒロイン?」
何かを感じ取ったかのように、レノが目を覚ました。
「きゃ…」
突然のことに驚いたヒロインはバランスを崩し、レノの上に倒れこんだ。
「っ痛…」
思い切りぶつかったこともあり、痛みにレノが顔をしかめた。
「ご、ごめんなさい!」
ヒロインは慌てて起き上がろうとしたが、そこをレノに捕まってしまった。
「何で泣いてるんだ?」
レノの指が下瞼の涙を拭った。
「わからない…でも、行かなきゃ」
レノが怪訝な顔をした。
「行くって、どこに――」
ヒロインは自問した。
どこへ、行くのか。
その答えは、予め用意されていたかのように、ヒロインの口に上った。
「エアリスのところ――」
ヒロインがそう言うと、レノは一層眉をひそめた。
「分かるの。早く行かなきゃ…」
何か取り返しのつかないことが起きてしまう。
確信に近いものを抱き、ヒロインは北を見た。
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