2-18:予感
ヒロイン
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「ヒロイン、死ぬなよ」
突然レノに抱き締められたヒロインは、ほとんど中身のなかった缶を床に取り落とした。
カランカラン…と軽い音を立て、缶が転がっていった。
「もう誰かを亡くすのは、ごめんだ」
レノの腕に一層力がこもった。
大切な誰かを亡くす痛みは、ヒロインもよく知っている。
その傷は、なかなか癒えないことも。
ヒロインは、そっとレノの背に腕を回した。
そして、ぽんぽんと、レノの背を軽く叩いた。
いつもレノがしてくれたように、優しく。
「絶対、戻ってくるから。あの約束、守ってくれるんでしょ?」
「あぁ。ヒロインのために、俺の隣、空けとくぞ、と」
腕を緩めたレノは、悪戯っぽく笑い、ベッドを叩いた。
「ヒロイン――」
唇を重ね、ヒロインはレノに促されるまま、ベッドに身体を横たえた。
覆い被さるレノが、ヒロインの身体を撫で始める。
「レ、レノ!?」
「5年もお預け食らったんだ。今更、我慢できるわけないだろ、と」
至近距離で真摯に見つめられ、ヒロインは顔が真っ赤になるのを感じた。
恐ろしいぐらいに、心臓が大きな音を立てている。
まるで、初めて行為に及ぶ時ような緊張感だった。
そんなヒロインの様子を感じ取ったのか、レノが壊れ物を扱うかのようにヒロインの頬を撫でた。
「ヒロイン、愛してるぞ、と」
「――私も」
このまま時が止まればいい。
5年前と同じことを考えながら、ヒロインは目を閉じ、レノに全てを委ねた。
――ヒロインは、幸せになってね
その日見た夢は、よく覚えていない。
ただ、とてもとても悲しい夢だった。
目が覚めたとき、ヒロインの瞳から、大粒の涙が溢れ出た。
その零れ落ちた涙は、シーツに染みを作った。
それは、予感。
そして、それが現実となる瞬間は、すぐそこまで迫っていた。
To be continued...
2008/11/30
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突然レノに抱き締められたヒロインは、ほとんど中身のなかった缶を床に取り落とした。
カランカラン…と軽い音を立て、缶が転がっていった。
「もう誰かを亡くすのは、ごめんだ」
レノの腕に一層力がこもった。
大切な誰かを亡くす痛みは、ヒロインもよく知っている。
その傷は、なかなか癒えないことも。
ヒロインは、そっとレノの背に腕を回した。
そして、ぽんぽんと、レノの背を軽く叩いた。
いつもレノがしてくれたように、優しく。
「絶対、戻ってくるから。あの約束、守ってくれるんでしょ?」
「あぁ。ヒロインのために、俺の隣、空けとくぞ、と」
腕を緩めたレノは、悪戯っぽく笑い、ベッドを叩いた。
「ヒロイン――」
唇を重ね、ヒロインはレノに促されるまま、ベッドに身体を横たえた。
覆い被さるレノが、ヒロインの身体を撫で始める。
「レ、レノ!?」
「5年もお預け食らったんだ。今更、我慢できるわけないだろ、と」
至近距離で真摯に見つめられ、ヒロインは顔が真っ赤になるのを感じた。
恐ろしいぐらいに、心臓が大きな音を立てている。
まるで、初めて行為に及ぶ時ような緊張感だった。
そんなヒロインの様子を感じ取ったのか、レノが壊れ物を扱うかのようにヒロインの頬を撫でた。
「ヒロイン、愛してるぞ、と」
「――私も」
このまま時が止まればいい。
5年前と同じことを考えながら、ヒロインは目を閉じ、レノに全てを委ねた。
――ヒロインは、幸せになってね
その日見た夢は、よく覚えていない。
ただ、とてもとても悲しい夢だった。
目が覚めたとき、ヒロインの瞳から、大粒の涙が溢れ出た。
その零れ落ちた涙は、シーツに染みを作った。
それは、予感。
そして、それが現実となる瞬間は、すぐそこまで迫っていた。
To be continued...
2008/11/30
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