2-18:予感
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ヒロイン?」
呼ばれている。
ヒロインは目を開けようと努力した。
しかし、思うように身体が動かない。
瞼を持ち上げることすら困難だった。
「お前…!この腕は――」
腕――どうなっているのだろうか?
ヒロインはうっすらと目を開け、自分の腕を見た。
左腕に伸ばされる誰かの手の存在を認めたヒロインは、自分の左腕が折れていることを思い出した。
「…っ、触ら、ないで」
声を絞り出したヒロインは、右手を付いて起き上がった。
ようやく意識がはっきりし、ヒロインは自分を呼んでいた声の主を探した。
「ヒロイン、無理するなって言っただろ」
さりげなく身体に回された腕に支えられ、ヒロインは声の方を見上げた。
「レノ…?どうして――」
「『どうして』とはまた、つれないな」
レノが苦笑した。
(そうだ、私が…)
「ツォンさんは大丈夫だ。イリーナとルードが病院に搬送してる」
最も知りたかったことを聞け、ヒロインはほっと胸を撫で下ろした。
「それじゃあ、俺たちも戻るぞ、と」
ひょいっと、軽々とレノに抱き上げられたヒロインは、慌ててレノを制止する。
「え?戻るって…」
「その腕、治さないといけないだろう」
だらんと垂れ下がった左腕は、外傷こそないが、痛めているのが丸分かりだった。
レノが治療の必要があると言うのも無理はなかったが、ヒロインは素直に従えなかった。
レノと一緒に戻れば、自由に動き回れなくなる。
セフィロスを追うこともできなくなる。
セフィロスは「北で待つ」と言った。
ツォンは一命を取り留めたが、次にセフィロスの意に反した場合、誰かが命を落とさないとは限らない。
それが、もしレノなら――
ヒロインの気持ちは、決まっていた。
セフィロスを追う。
「レノ、お願いがあるの」
.
呼ばれている。
ヒロインは目を開けようと努力した。
しかし、思うように身体が動かない。
瞼を持ち上げることすら困難だった。
「お前…!この腕は――」
腕――どうなっているのだろうか?
ヒロインはうっすらと目を開け、自分の腕を見た。
左腕に伸ばされる誰かの手の存在を認めたヒロインは、自分の左腕が折れていることを思い出した。
「…っ、触ら、ないで」
声を絞り出したヒロインは、右手を付いて起き上がった。
ようやく意識がはっきりし、ヒロインは自分を呼んでいた声の主を探した。
「ヒロイン、無理するなって言っただろ」
さりげなく身体に回された腕に支えられ、ヒロインは声の方を見上げた。
「レノ…?どうして――」
「『どうして』とはまた、つれないな」
レノが苦笑した。
(そうだ、私が…)
「ツォンさんは大丈夫だ。イリーナとルードが病院に搬送してる」
最も知りたかったことを聞け、ヒロインはほっと胸を撫で下ろした。
「それじゃあ、俺たちも戻るぞ、と」
ひょいっと、軽々とレノに抱き上げられたヒロインは、慌ててレノを制止する。
「え?戻るって…」
「その腕、治さないといけないだろう」
だらんと垂れ下がった左腕は、外傷こそないが、痛めているのが丸分かりだった。
レノが治療の必要があると言うのも無理はなかったが、ヒロインは素直に従えなかった。
レノと一緒に戻れば、自由に動き回れなくなる。
セフィロスを追うこともできなくなる。
セフィロスは「北で待つ」と言った。
ツォンは一命を取り留めたが、次にセフィロスの意に反した場合、誰かが命を落とさないとは限らない。
それが、もしレノなら――
ヒロインの気持ちは、決まっていた。
セフィロスを追う。
「レノ、お願いがあるの」
.