2-18:予感
ヒロイン
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激しい痛みに吐き気をもよおしながらも、ヒロインはツォンの治療を優先した。
ツォンは、ジェノバ細胞を持たない普通の人間。
ヒロインは、ジェノバ細胞を持つ特殊な人間。
どちらを優先すべきか、考えるまでもなかった。
しばらくすると、ツォンの瞼が動いた。
「ツォンさん…?」
傷を塞ぎ、止血しただけなので、ツォンの顔は青白いままだったが、ツォンの意識が戻ったことに安堵し、ヒロインは胸を撫で下ろした。
「ヒロイン、無事か…?」
「私なら、大丈夫です。外に出ましょう。ちゃんと治療しないと」
ヒロインは笑顔を作り、ツォンに怪我をしていない方の手を差し出した。
折れた腕は痛みを通り越し、既に何も感じない。
残った力で治療も試みたが、折れた箇所を元のように見せるのが精一杯だった。
ヒロイン自身も満身創痍であったが、まずはツォンを一刻も早く病院に連れていかねばならない。
ヒロインは折れた左腕を庇いながら、ツォンに肩を貸して、神殿の外に向かった。
ヒロインは行きの倍ほど時間を掛け、ようやく出口に辿り着いた。
「ツォンさん、救援要請してきますから、ここで待っていてください」
ツォンの身体を台座に預け、ヒロインは走りだした。
ツォンの顔色がよくない。
急がなければ――
ヒロインは森を全力で駆け抜けた。
そして、息をつく時間も惜しんで、ヘリコプターに駆け寄った。
「レノに繋いで!」
ヒロインは操縦士に叫んだ。
近くにいたイリーナが目を剥き、通信機に手を掛けようとしたヒロインを押し止める。
「ちょっと!勝手なことしないでください!!」
「放して!ツォンさんが危ないの!」
「え…?」
イリーナの力が弱まる。
茫然とするイリーナに、ヒロインは状況を説明する。
そこで、ようやくヒロイン自身も落ち着きを取り戻した。
「私が助けを呼ぶから、あなたはツォンさんに付いててあげて」
ヒロインはイリーナを諭し、改めて通信機を手に取った。
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ツォンは、ジェノバ細胞を持たない普通の人間。
ヒロインは、ジェノバ細胞を持つ特殊な人間。
どちらを優先すべきか、考えるまでもなかった。
しばらくすると、ツォンの瞼が動いた。
「ツォンさん…?」
傷を塞ぎ、止血しただけなので、ツォンの顔は青白いままだったが、ツォンの意識が戻ったことに安堵し、ヒロインは胸を撫で下ろした。
「ヒロイン、無事か…?」
「私なら、大丈夫です。外に出ましょう。ちゃんと治療しないと」
ヒロインは笑顔を作り、ツォンに怪我をしていない方の手を差し出した。
折れた腕は痛みを通り越し、既に何も感じない。
残った力で治療も試みたが、折れた箇所を元のように見せるのが精一杯だった。
ヒロイン自身も満身創痍であったが、まずはツォンを一刻も早く病院に連れていかねばならない。
ヒロインは折れた左腕を庇いながら、ツォンに肩を貸して、神殿の外に向かった。
ヒロインは行きの倍ほど時間を掛け、ようやく出口に辿り着いた。
「ツォンさん、救援要請してきますから、ここで待っていてください」
ツォンの身体を台座に預け、ヒロインは走りだした。
ツォンの顔色がよくない。
急がなければ――
ヒロインは森を全力で駆け抜けた。
そして、息をつく時間も惜しんで、ヘリコプターに駆け寄った。
「レノに繋いで!」
ヒロインは操縦士に叫んだ。
近くにいたイリーナが目を剥き、通信機に手を掛けようとしたヒロインを押し止める。
「ちょっと!勝手なことしないでください!!」
「放して!ツォンさんが危ないの!」
「え…?」
イリーナの力が弱まる。
茫然とするイリーナに、ヒロインは状況を説明する。
そこで、ようやくヒロイン自身も落ち着きを取り戻した。
「私が助けを呼ぶから、あなたはツォンさんに付いててあげて」
ヒロインはイリーナを諭し、改めて通信機を手に取った。
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