2-18:予感
ヒロイン
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セフィロスの刀の先端が、ヒロインの服の端に引っ掛かった。
(斬られる――)
体勢を変えられる状況ではなかったヒロインは、斬られるのを覚悟した。
しかし、血飛沫が上がったのは、ヒロインの身体ではなかった。
「浅かったか」
ヒロインはツォンの方に視線を向けた。
足元を血で染め、苦痛に顔を歪めたツォンが倒れた。
「ツォンさんっ!!」
ヒロインは悲鳴混じりにツォンの名を呼ぶ。
しかし、ツォンはぴくりとも動かない。
ヒロインはツォンに駆け寄り、ケアルラを唱えた。
ヒロインの手から生じた淡い光の帯は、ツォンの身体を包んでいく。
ツォンから流れていた血が止まった。
「余計なことに力を割くな」
セフィロスがヒロインの左腕を捻り上げた。
途端に、光の帯も消える。
「放して!」
無理な方向に捻られた腕がひどく痛む。
しかし、ヒロインは痛みをこらえ、果敢にセフィロスを睨み付けた。
「無駄なことを…」
「いいから放して!」
ヒロインは腕を捻られた状態のまま、ツォンの治療を続けた。
「他人より、自分のことを心配したらどうだ?」
セフィロスが冷笑した。
ぼきっ。
自分の腕から聞こえた鈍い音。
ヒロインは全身に走った痛みと同時に、自分の身に何が起こったかを理解した。
「っああぁ!!」
「――強情だな」
セフィロスが、既に折れた場所とは別の箇所に手を掛けた。
「っ…放、して…!」
今にも気を失いそうになりながら、ヒロインは決してセフィロスから目を離さなかった。
「――ふっ、まぁいい。この場は見逃してやろう。しかしヒロイン、私から逃げようなどと、二度と考えるな」
北で待つ。
そう言い残し、セフィロスは消えた。
「北へ――」
痛みを通り越し、とうに感覚をなくした腕を押さえ、ヒロインは思い詰めた表情で呟いた。
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(斬られる――)
体勢を変えられる状況ではなかったヒロインは、斬られるのを覚悟した。
しかし、血飛沫が上がったのは、ヒロインの身体ではなかった。
「浅かったか」
ヒロインはツォンの方に視線を向けた。
足元を血で染め、苦痛に顔を歪めたツォンが倒れた。
「ツォンさんっ!!」
ヒロインは悲鳴混じりにツォンの名を呼ぶ。
しかし、ツォンはぴくりとも動かない。
ヒロインはツォンに駆け寄り、ケアルラを唱えた。
ヒロインの手から生じた淡い光の帯は、ツォンの身体を包んでいく。
ツォンから流れていた血が止まった。
「余計なことに力を割くな」
セフィロスがヒロインの左腕を捻り上げた。
途端に、光の帯も消える。
「放して!」
無理な方向に捻られた腕がひどく痛む。
しかし、ヒロインは痛みをこらえ、果敢にセフィロスを睨み付けた。
「無駄なことを…」
「いいから放して!」
ヒロインは腕を捻られた状態のまま、ツォンの治療を続けた。
「他人より、自分のことを心配したらどうだ?」
セフィロスが冷笑した。
ぼきっ。
自分の腕から聞こえた鈍い音。
ヒロインは全身に走った痛みと同時に、自分の身に何が起こったかを理解した。
「っああぁ!!」
「――強情だな」
セフィロスが、既に折れた場所とは別の箇所に手を掛けた。
「っ…放、して…!」
今にも気を失いそうになりながら、ヒロインは決してセフィロスから目を離さなかった。
「――ふっ、まぁいい。この場は見逃してやろう。しかしヒロイン、私から逃げようなどと、二度と考えるな」
北で待つ。
そう言い残し、セフィロスは消えた。
「北へ――」
痛みを通り越し、とうに感覚をなくした腕を押さえ、ヒロインは思い詰めた表情で呟いた。
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