2-17:約束
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ヒロインとレノはゴンドラに乗り込み、向かい合わせに座った。
今までも二人でいることはあったが、ゴンドラのような狭いところに二人きりだと、余計に相手を意識してしまう。
互いに会話を切り出すことが出来ないまま、ゴンドラは進んでいった。
「ヒロイン、決まったか?」
突然沈黙を破られ、ヒロインは飛び上がりそうになるほど驚いた。
心臓が大きな音で鼓動を刻む。
「あ、さっきの約束ね…えっと――」
何も考えていなかったヒロインは、必死で考える。
(何でも言うこと聞くって言われても…)
今、こうして一緒にいるだけで満たされているのに、それ以上何があるだろう。
何か欲しい物があるわけでもない。
したいことがあるわけでもない。
『何でも』と言われると、困ってしまう。
そうレノに言うと、レノが呆れたような顔になった。
「何かあるだろ?例えば、指輪が欲しいとか、どこかに行きたいとか――」
「そう言われても――」
具体的に欲しい物など、すぐに思いつかない。
「今、こうしていられるだけで、十分楽しいし――あっ」
一つだけ、あった。
たった一つ、欲しい物が。
「――帰る場所、かな。欲しい物…」
全てに決着を着けた後に戻る場所。
帰る所のない自分を待っていてくれる場所があればいいと思っていた。
しかし――
「…無理なら、いいの。うん、やっぱり忘れて!」
それが、分不相応な望みであるように感じ、ヒロインは簡単に願いを心の奥底に押し込んだ。
そんなヒロインの感情の変化を敏感に感じたレノは、やれやれと息を吐いた。
「誰も無理なんて言ってないだろ」
レノがヒロインの肩を掴んだ。
レノが急に動いたことで、ゴンドラが激しく揺れる。
ヒロインは、レノに真っ直ぐ見つめられ、動けずにいた。
「俺でいいなら、何十年でも何百年でも待っててやるぞ、と」
壮大なプロポーズとも取れるレノのセリフに、ヒロインは頭の天辺から足の先まで真っ赤になった。
レノはヒロインの横に腰を下ろし、ヒロインの腰に腕を回した。
ヒロインはレノに身体を預け、求められるまま、唇を重ねた。
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今までも二人でいることはあったが、ゴンドラのような狭いところに二人きりだと、余計に相手を意識してしまう。
互いに会話を切り出すことが出来ないまま、ゴンドラは進んでいった。
「ヒロイン、決まったか?」
突然沈黙を破られ、ヒロインは飛び上がりそうになるほど驚いた。
心臓が大きな音で鼓動を刻む。
「あ、さっきの約束ね…えっと――」
何も考えていなかったヒロインは、必死で考える。
(何でも言うこと聞くって言われても…)
今、こうして一緒にいるだけで満たされているのに、それ以上何があるだろう。
何か欲しい物があるわけでもない。
したいことがあるわけでもない。
『何でも』と言われると、困ってしまう。
そうレノに言うと、レノが呆れたような顔になった。
「何かあるだろ?例えば、指輪が欲しいとか、どこかに行きたいとか――」
「そう言われても――」
具体的に欲しい物など、すぐに思いつかない。
「今、こうしていられるだけで、十分楽しいし――あっ」
一つだけ、あった。
たった一つ、欲しい物が。
「――帰る場所、かな。欲しい物…」
全てに決着を着けた後に戻る場所。
帰る所のない自分を待っていてくれる場所があればいいと思っていた。
しかし――
「…無理なら、いいの。うん、やっぱり忘れて!」
それが、分不相応な望みであるように感じ、ヒロインは簡単に願いを心の奥底に押し込んだ。
そんなヒロインの感情の変化を敏感に感じたレノは、やれやれと息を吐いた。
「誰も無理なんて言ってないだろ」
レノがヒロインの肩を掴んだ。
レノが急に動いたことで、ゴンドラが激しく揺れる。
ヒロインは、レノに真っ直ぐ見つめられ、動けずにいた。
「俺でいいなら、何十年でも何百年でも待っててやるぞ、と」
壮大なプロポーズとも取れるレノのセリフに、ヒロインは頭の天辺から足の先まで真っ赤になった。
レノはヒロインの横に腰を下ろし、ヒロインの腰に腕を回した。
ヒロインはレノに身体を預け、求められるまま、唇を重ねた。
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