2-17:約束
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バーに来て30分。
ヒロインは不機嫌な顔で、一人グラスを傾けていた。
この僅かな間に、何人の男に声を掛けられたことか。
作り笑いでやんわり断っては、繰り返し溜息を溢していた。
(考え込まなくてすむのはいいけど…)
精神的に疲れてきたヒロインは、部屋に戻ろうと席を立った。
「お姉さん、今一人?」
またか。
ヒロインはうんざりして、あからさまに迷惑だという顔をして言った。
「生憎、連れがいるの」
「それは、聞き捨てならないぞ、と」
独特の語尾に反応し、ヒロインは弾かれたように顔を上げた。
「レノ!?」
まさかここで会うと思ってなかったヒロインは、目を丸くした。
それと同時に、胸が高鳴った。
こんなに早く会えるなんて――
でも、喜んでばかりはいられない。
レノが現れたのは、偶然ではないのだから。
「そう警戒するなよ」
レノが頭を掻きながら言った。
「どうせ出られないんだから、楽しまなきゃ損だぞ、と」
レノが一歩近づき、ヒロインの手を取った。
そして、ヒロインの戸惑いを払い除けるかのように、やや強引に手を引いた。
「ほら、行くぞ!」
「ちょっ、レノ!」
急に手を引かれたヒロインは、前につんのめりそうになりながら、レノに抗議した。
「行くって、どこに!?」
レノがぴたっと足を止め、振り返った。
「んー、とりあえず、イベントスクエアにでも行ってみるか」
「え?」
レノの言葉に、ヒロインは目を丸くした。
てっきり任務でやってきたものだと思っていたが、これではまるで――
(デ、デート!?)
ぼっ、と火が出そうなくらい顔が熱い。
きっとレノも気付いている。
しかし、レノは「早く行くぞ」とヒロインを促しただけで、そのことに触れなかった。
ヒロインは若干の違和感を覚えつつも、レノの後に続いてバーを出た。
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ヒロインは不機嫌な顔で、一人グラスを傾けていた。
この僅かな間に、何人の男に声を掛けられたことか。
作り笑いでやんわり断っては、繰り返し溜息を溢していた。
(考え込まなくてすむのはいいけど…)
精神的に疲れてきたヒロインは、部屋に戻ろうと席を立った。
「お姉さん、今一人?」
またか。
ヒロインはうんざりして、あからさまに迷惑だという顔をして言った。
「生憎、連れがいるの」
「それは、聞き捨てならないぞ、と」
独特の語尾に反応し、ヒロインは弾かれたように顔を上げた。
「レノ!?」
まさかここで会うと思ってなかったヒロインは、目を丸くした。
それと同時に、胸が高鳴った。
こんなに早く会えるなんて――
でも、喜んでばかりはいられない。
レノが現れたのは、偶然ではないのだから。
「そう警戒するなよ」
レノが頭を掻きながら言った。
「どうせ出られないんだから、楽しまなきゃ損だぞ、と」
レノが一歩近づき、ヒロインの手を取った。
そして、ヒロインの戸惑いを払い除けるかのように、やや強引に手を引いた。
「ほら、行くぞ!」
「ちょっ、レノ!」
急に手を引かれたヒロインは、前につんのめりそうになりながら、レノに抗議した。
「行くって、どこに!?」
レノがぴたっと足を止め、振り返った。
「んー、とりあえず、イベントスクエアにでも行ってみるか」
「え?」
レノの言葉に、ヒロインは目を丸くした。
てっきり任務でやってきたものだと思っていたが、これではまるで――
(デ、デート!?)
ぼっ、と火が出そうなくらい顔が熱い。
きっとレノも気付いている。
しかし、レノは「早く行くぞ」とヒロインを促しただけで、そのことに触れなかった。
ヒロインは若干の違和感を覚えつつも、レノの後に続いてバーを出た。
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