2-17:約束
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顔が利くと言っただけのことはあり、ケット・シーは一人部屋を人数分押さえていた。
「はい、鍵。なくさんといてや~」
ケット・シーは、てきぱきと各人に鍵を渡した。
鍵を受け取ったヒロインは、ちらりと客室に視線を向けた。
ここは、レノに別れを告げられた場所。
ウータイでしこりはなくなったはずだが、辛い記憶はしっかりと残っており、思い出したくないことばかり思い出してしまう。
ヒロインは溜息をつく代わりに、手にした鍵をきゅっと握りしめた。
「ねぇ、クラウド。いい機会だし、今までのこと、まとめてみない?」
エアリスの提案に、シドとヴィンセントが頷いた。
「そりゃいい。俺たちゃ途中参加だからな」
クラウドは面倒臭そうな顔をしたが、渋々頷き、5年前の事件から今まで起きたことを時系列順に話し始めた。
所々をティファとエアリスが補足しながら、話は進んでいった。
そして、話題がヒロイン自身のことに移ると、ヒロインは、一つ一つ確かめるように話し始めた。
そうすることで、不確かな自分にも、何か確かなものを見つけられるような気がして。
5年前のこと、白の研究所の事件の後は神羅屋敷で眠り続けていたこと、ミッドガルに辿り着いてからのこと。
それら個々の記憶ははっきりしているのに、それらを繋ぐものがヒロインにはない。
特に、目覚めてからミッドガルに辿り着くまでの一年間の記憶は全くない。
途切れ途切れの記憶は、余計にヒロインを落ち着かなくさせた。
しかし、そんなヒロインの不安に気付く者はいなかった。
「それぞれ理由は違うが、目的はセフィロスということか」
ヴィンセントの言葉が締めとなり、皆はそれぞれの部屋に引き上げていった。
一人ロビーに残ったヒロインは、大きな溜息をついた。
記憶を整理することで、もやもやとしたものを吐き出すつもりが、更にすっきりしないものを抱え込んでしまった。
「あと、もう少しって気もするんだけど…」
何かきっかけがあれば、思い出せる気がする。
「気分転換に飲みに行こう」
結局、記憶を辿るのは諦め、ヒロインはホテルのバーに足を向けた。
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「はい、鍵。なくさんといてや~」
ケット・シーは、てきぱきと各人に鍵を渡した。
鍵を受け取ったヒロインは、ちらりと客室に視線を向けた。
ここは、レノに別れを告げられた場所。
ウータイでしこりはなくなったはずだが、辛い記憶はしっかりと残っており、思い出したくないことばかり思い出してしまう。
ヒロインは溜息をつく代わりに、手にした鍵をきゅっと握りしめた。
「ねぇ、クラウド。いい機会だし、今までのこと、まとめてみない?」
エアリスの提案に、シドとヴィンセントが頷いた。
「そりゃいい。俺たちゃ途中参加だからな」
クラウドは面倒臭そうな顔をしたが、渋々頷き、5年前の事件から今まで起きたことを時系列順に話し始めた。
所々をティファとエアリスが補足しながら、話は進んでいった。
そして、話題がヒロイン自身のことに移ると、ヒロインは、一つ一つ確かめるように話し始めた。
そうすることで、不確かな自分にも、何か確かなものを見つけられるような気がして。
5年前のこと、白の研究所の事件の後は神羅屋敷で眠り続けていたこと、ミッドガルに辿り着いてからのこと。
それら個々の記憶ははっきりしているのに、それらを繋ぐものがヒロインにはない。
特に、目覚めてからミッドガルに辿り着くまでの一年間の記憶は全くない。
途切れ途切れの記憶は、余計にヒロインを落ち着かなくさせた。
しかし、そんなヒロインの不安に気付く者はいなかった。
「それぞれ理由は違うが、目的はセフィロスということか」
ヴィンセントの言葉が締めとなり、皆はそれぞれの部屋に引き上げていった。
一人ロビーに残ったヒロインは、大きな溜息をついた。
記憶を整理することで、もやもやとしたものを吐き出すつもりが、更にすっきりしないものを抱え込んでしまった。
「あと、もう少しって気もするんだけど…」
何かきっかけがあれば、思い出せる気がする。
「気分転換に飲みに行こう」
結局、記憶を辿るのは諦め、ヒロインはホテルのバーに足を向けた。
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