2-17:約束
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「クラウド、頑張れ!」
ヒロインは観覧席から声を張り上げた。
しかし、その声は周りの歓声に掻き消され、クラウドには届かなかった。
バトル開始直後は閑散としていたバトルスクエアも、クラウドが勝利を重ねるのに比例して、観客が増えている。
戦うクラウドに合わせて自らの拳を振り、歓声を上げる男性や、黄色い声援を送る若い女性――皆が興奮して、クラウドの戦いを見ていた。
ヒロインも拳を振り上げたり、飛び跳ねたり、叫んだりと、自分がその場で戦っているような気分になりながら、クラウドを応援していた。
そのとき。
ざわっと、ヒロインの中で何かが動いた。
「――っ」
内側から力が溢れ、それが全身に伝わる。
ふっと一瞬身体が軽くなったような感覚の後、左手のバングルに付けていた魔法マテリアが、ぎらりと光った。
(ダメ!)
慌ててヒロインは右手でバングルを押さえる。
熱を帯びたマテリアが掌に軽い火傷を作り、その痛みでヒロインは顔をしかめた。
暴走しかかった自分の力をなんとか抑えつけることができたヒロインは、食い縛っていた口を解き、息をついた。
嫌な汗が流れた。
それは、紛れもなくジェノバの仕業だった。
何度も体験し、よく知ったもの。
自分が消えていくような、それでいて枷を外したような快楽にも似たいつもの感覚。
セフィロスを拒んでからは、一度もなかった。
ニブルヘイム以降、セフィロスとも接触していない。
(まさか…近くに?)
ヒロインは恐る恐る周囲を見回した。
しかし、あのセフィロスの姿はない。
もしかするとセフィロスは、研究員の姿をしていた時のように、誰か別の人物の姿をしているのかもしれない。
疑い出すと、全てが怪しく思えてくる。
さらにゴールドソーサーという場所が、ヒロインの不安を煽った。
――殺した、の間違いじゃないの?
あれは研究員ではなく、セフィロスだとわかっていたが、ヒロインの胸が鈍く軋んだ。
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ヒロインは観覧席から声を張り上げた。
しかし、その声は周りの歓声に掻き消され、クラウドには届かなかった。
バトル開始直後は閑散としていたバトルスクエアも、クラウドが勝利を重ねるのに比例して、観客が増えている。
戦うクラウドに合わせて自らの拳を振り、歓声を上げる男性や、黄色い声援を送る若い女性――皆が興奮して、クラウドの戦いを見ていた。
ヒロインも拳を振り上げたり、飛び跳ねたり、叫んだりと、自分がその場で戦っているような気分になりながら、クラウドを応援していた。
そのとき。
ざわっと、ヒロインの中で何かが動いた。
「――っ」
内側から力が溢れ、それが全身に伝わる。
ふっと一瞬身体が軽くなったような感覚の後、左手のバングルに付けていた魔法マテリアが、ぎらりと光った。
(ダメ!)
慌ててヒロインは右手でバングルを押さえる。
熱を帯びたマテリアが掌に軽い火傷を作り、その痛みでヒロインは顔をしかめた。
暴走しかかった自分の力をなんとか抑えつけることができたヒロインは、食い縛っていた口を解き、息をついた。
嫌な汗が流れた。
それは、紛れもなくジェノバの仕業だった。
何度も体験し、よく知ったもの。
自分が消えていくような、それでいて枷を外したような快楽にも似たいつもの感覚。
セフィロスを拒んでからは、一度もなかった。
ニブルヘイム以降、セフィロスとも接触していない。
(まさか…近くに?)
ヒロインは恐る恐る周囲を見回した。
しかし、あのセフィロスの姿はない。
もしかするとセフィロスは、研究員の姿をしていた時のように、誰か別の人物の姿をしているのかもしれない。
疑い出すと、全てが怪しく思えてくる。
さらにゴールドソーサーという場所が、ヒロインの不安を煽った。
――殺した、の間違いじゃないの?
あれは研究員ではなく、セフィロスだとわかっていたが、ヒロインの胸が鈍く軋んだ。
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