2-16:仲直り
ヒロイン
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「た、助けてくれ…」
レノはダチャオ像の指先から、下を覗き見た。
「悪運が強いな」
コルネオは、両手でダチャオ像の指先に必死にしがみ付いていた。
そのあまりに無様な姿を、レノは鼻で笑い、にやりと口元を歪め、言った。
「いい様だな、コルネオ」
レノは涼しい顔をして、コルネオの手を踏んだ。
コルネオの口から、苦痛と恐怖に満ちた叫び声が上がる。
「お、お願い…っ」
「残念」
冷たく言い放ったレノは、コルネオの指を足で払った。
耳をつんざく断末魔の叫びは、肉が潰れる音がした途端に止んだ。
「任務完了」
レノは白い煙を吐き出した。
「先輩、すみませんでした」
無事救出されたイリーナが、素直に頭を下げた。
「今回はコルネオで助かったな。じゃなけりゃ、今頃あの世だ」
レノがきつく言うと、イリーナはしゅんとして下を向いた。
「もう先走るなよ」
「はい…」
後輩をたっぷり絞ったレノは、ヒロインの方へと振り返った。
「じゃあ、俺たちは行くぞ、と。またな、ヒロイン」
ヒロインは一瞬寂しそうな顔を見せたが、すぐに笑顔を見せた。
「うん、ありがとう」
ヒロインはずっと手を振っていた。
レノはそれを知りつつも、敢えて振り返ることはしなかった。
そんな健気なヒロインの姿を見たら、引き返したくなるのが分かっていたから。
レノは軽く手を上げてヒロインに応え、イリーナを連れてダチャオ像を下りていった。
「ところで、先輩」
「何だ?」
「いつヒロインと仲直りしたんですか?」
イリーナの『仲直り』という表現がなんだかくすぐったく、レノはにやりと笑って誤魔化した。
「秘密だぞ、と――電話だ」
指を立て、イリーナに黙るよう合図をし、レノは電話に出た。
「――任務だ。ヒロインを拘束する」
「え!?」
レノは吐き捨てるように言い、手の中にある携帯を握り締めた。
震える拳の内で、携帯がみしっと音を立てた。
To be continued...
2008/08/08
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レノはダチャオ像の指先から、下を覗き見た。
「悪運が強いな」
コルネオは、両手でダチャオ像の指先に必死にしがみ付いていた。
そのあまりに無様な姿を、レノは鼻で笑い、にやりと口元を歪め、言った。
「いい様だな、コルネオ」
レノは涼しい顔をして、コルネオの手を踏んだ。
コルネオの口から、苦痛と恐怖に満ちた叫び声が上がる。
「お、お願い…っ」
「残念」
冷たく言い放ったレノは、コルネオの指を足で払った。
耳をつんざく断末魔の叫びは、肉が潰れる音がした途端に止んだ。
「任務完了」
レノは白い煙を吐き出した。
「先輩、すみませんでした」
無事救出されたイリーナが、素直に頭を下げた。
「今回はコルネオで助かったな。じゃなけりゃ、今頃あの世だ」
レノがきつく言うと、イリーナはしゅんとして下を向いた。
「もう先走るなよ」
「はい…」
後輩をたっぷり絞ったレノは、ヒロインの方へと振り返った。
「じゃあ、俺たちは行くぞ、と。またな、ヒロイン」
ヒロインは一瞬寂しそうな顔を見せたが、すぐに笑顔を見せた。
「うん、ありがとう」
ヒロインはずっと手を振っていた。
レノはそれを知りつつも、敢えて振り返ることはしなかった。
そんな健気なヒロインの姿を見たら、引き返したくなるのが分かっていたから。
レノは軽く手を上げてヒロインに応え、イリーナを連れてダチャオ像を下りていった。
「ところで、先輩」
「何だ?」
「いつヒロインと仲直りしたんですか?」
イリーナの『仲直り』という表現がなんだかくすぐったく、レノはにやりと笑って誤魔化した。
「秘密だぞ、と――電話だ」
指を立て、イリーナに黙るよう合図をし、レノは電話に出た。
「――任務だ。ヒロインを拘束する」
「え!?」
レノは吐き捨てるように言い、手の中にある携帯を握り締めた。
震える拳の内で、携帯がみしっと音を立てた。
To be continued...
2008/08/08
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