2-16:仲直り
ヒロイン
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レノはヒロインの包帯をゆっくりと外した。
幾重にも巻かれた包帯は、奥に行くに従い、赤を濃くしていった。
傷口に当てられたガーゼは、血でぐっしょり濡れている。
この出血の量で、よく意識を保っていたなと、レノはヒロインの体力に呆れた。
しかし、ヒロインの中のジェノバの存在を思い出し、レノは眉間に皺を寄せた。
ソルジャーに近い身体のヒロインなら、多少の出血にも耐えられるのだろう。
レノは傷口に張り付きかかっているガーゼを慎重に外した。
「銃創か…」
レノは傷口を検分し、銃弾が貫通していることを確認した。
そして、ルードから借りた回復マテリアをバングルに装着し、ケアルラを唱えた。
レノの手から放出される光の帯が、ヒロインの傷を包み込む。
徐々に塞がっていく傷を見ていたレノの脳裏に、5年前の記憶が蘇った。
レノを庇い、氷の矢に貫かれたヒロイン。
傾ぐ身体。
流れる血。
冷たい身体――
あの時の光景が重なる。
レノはびくりと身体を震わせた。
生気が失われていくヒロインを抱いた恐怖は、まだ身体に染み付いている。
ヒロインが生きていると分かっていても、レノはそれを確かめずにはいられなかった。
「ヒロイン?」
名を呼び、ヒロインの手を取る。
確かに脈打ち、温かなヒロインの手から、ヒロインが生きていることを実感し、レノは安堵の溜息をついた。
回復マテリアの力で傷も跡一つ残らず消え、痛みがなくなったためか、ヒロインの表情も少し和らいだように見えた。
「もう、あんな思いは真っ平だ」
愛する人を失うかもしれない恐怖。
今思い出しても、心臓が凍り付く。
「もう、何処にも行くな――!」
レノは声を絞り出し、ヒロインの手を放すまいと強く握った。
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幾重にも巻かれた包帯は、奥に行くに従い、赤を濃くしていった。
傷口に当てられたガーゼは、血でぐっしょり濡れている。
この出血の量で、よく意識を保っていたなと、レノはヒロインの体力に呆れた。
しかし、ヒロインの中のジェノバの存在を思い出し、レノは眉間に皺を寄せた。
ソルジャーに近い身体のヒロインなら、多少の出血にも耐えられるのだろう。
レノは傷口に張り付きかかっているガーゼを慎重に外した。
「銃創か…」
レノは傷口を検分し、銃弾が貫通していることを確認した。
そして、ルードから借りた回復マテリアをバングルに装着し、ケアルラを唱えた。
レノの手から放出される光の帯が、ヒロインの傷を包み込む。
徐々に塞がっていく傷を見ていたレノの脳裏に、5年前の記憶が蘇った。
レノを庇い、氷の矢に貫かれたヒロイン。
傾ぐ身体。
流れる血。
冷たい身体――
あの時の光景が重なる。
レノはびくりと身体を震わせた。
生気が失われていくヒロインを抱いた恐怖は、まだ身体に染み付いている。
ヒロインが生きていると分かっていても、レノはそれを確かめずにはいられなかった。
「ヒロイン?」
名を呼び、ヒロインの手を取る。
確かに脈打ち、温かなヒロインの手から、ヒロインが生きていることを実感し、レノは安堵の溜息をついた。
回復マテリアの力で傷も跡一つ残らず消え、痛みがなくなったためか、ヒロインの表情も少し和らいだように見えた。
「もう、あんな思いは真っ平だ」
愛する人を失うかもしれない恐怖。
今思い出しても、心臓が凍り付く。
「もう、何処にも行くな――!」
レノは声を絞り出し、ヒロインの手を放すまいと強く握った。
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