2-16:仲直り
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
レノは自分達が泊まる予定の宿にヒロインを運んだ。
レノはヒロインを寝かせ、その額に氷水で冷やしたタオルを乗せた。
本来なら汗ばんだ肌に張り付いている服も脱がせ、着替えさせるべきだったが、さすがにそれは憚られた。
レノはヒロインの横に座り、その寝顔を見ていた。
「何年ぶりだろうな。こうやってヒロインの隣にいるのは…」
レノは手を伸ばし、ヒロインの頬に触れた。
白磁のようだった肌は少し日に焼け、絹糸のようだった黒髪も所々痛んでいる。
昔よりも細く痩せた身体も、ヒロインの苦労を物語っていた。
レノはヒロインの顔に掛かった髪を払ってやった。
僅かに身動ぎしたことで顕になったヒロインの肩に巻かれたものを目にし、レノは怪訝な表情を浮かべた。
「…包帯?」
包帯は薄ら赤く染まっている。
怪我をしたなら、回復マテリアで治せばいい。
それをしない理由は、一体――
レノはヒロインの銃とバングルを確認したが、幾つかあるマテリア穴には、一つもマテリアが装着されていなかった。
レノ自身も回復マテリアを所持していないため、これでは怪我を治してやれない。
「ルード待ちか」
「呼んだか?」
ルードが戻っていることに全く気付いていなかったレノは、思わず飛び上がって振り返った。
「…気配、消すなよ」
「癖でな」
相変わらずのやりとりに、ルードがふっと笑った。
「そうだ、亀道楽の分は今度奢るぞ、と」
「経費で落とすから心配ない」
全く、抜け目のない相棒だ。
領収書を見せられたレノは苦笑した。
「…俺はイリーナを探してくる。コルネオが相手じゃ、あいつではまだ分が悪い」
「あぁ」
変に気を聞かせるルードが可笑しく、レノは声を殺して笑った。
「その前に、回復マテリア貸してくれよ」
「怪我でもしたか?」
「ヒロインがな」
「…ヒロインは持っていないのか?」
「あぁ」
一瞬眉をひそめたルードだったが、バングルにはめていた回復マテリアを投げ寄越した。
「行ってくる」
マテリアを受け取ったレノは、軽く手を上げてルードを見送った。
.
レノはヒロインを寝かせ、その額に氷水で冷やしたタオルを乗せた。
本来なら汗ばんだ肌に張り付いている服も脱がせ、着替えさせるべきだったが、さすがにそれは憚られた。
レノはヒロインの横に座り、その寝顔を見ていた。
「何年ぶりだろうな。こうやってヒロインの隣にいるのは…」
レノは手を伸ばし、ヒロインの頬に触れた。
白磁のようだった肌は少し日に焼け、絹糸のようだった黒髪も所々痛んでいる。
昔よりも細く痩せた身体も、ヒロインの苦労を物語っていた。
レノはヒロインの顔に掛かった髪を払ってやった。
僅かに身動ぎしたことで顕になったヒロインの肩に巻かれたものを目にし、レノは怪訝な表情を浮かべた。
「…包帯?」
包帯は薄ら赤く染まっている。
怪我をしたなら、回復マテリアで治せばいい。
それをしない理由は、一体――
レノはヒロインの銃とバングルを確認したが、幾つかあるマテリア穴には、一つもマテリアが装着されていなかった。
レノ自身も回復マテリアを所持していないため、これでは怪我を治してやれない。
「ルード待ちか」
「呼んだか?」
ルードが戻っていることに全く気付いていなかったレノは、思わず飛び上がって振り返った。
「…気配、消すなよ」
「癖でな」
相変わらずのやりとりに、ルードがふっと笑った。
「そうだ、亀道楽の分は今度奢るぞ、と」
「経費で落とすから心配ない」
全く、抜け目のない相棒だ。
領収書を見せられたレノは苦笑した。
「…俺はイリーナを探してくる。コルネオが相手じゃ、あいつではまだ分が悪い」
「あぁ」
変に気を聞かせるルードが可笑しく、レノは声を殺して笑った。
「その前に、回復マテリア貸してくれよ」
「怪我でもしたか?」
「ヒロインがな」
「…ヒロインは持っていないのか?」
「あぁ」
一瞬眉をひそめたルードだったが、バングルにはめていた回復マテリアを投げ寄越した。
「行ってくる」
マテリアを受け取ったレノは、軽く手を上げてルードを見送った。
.