2-15:再会
ヒロイン
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ガラガラと音を立て、店の入口の引き戸が開いた。
凍り付いていた店内の空気が、わずかばかり緩んだ。
「…何でこんなところにいるんだ?」
知っている声だった。
レノは弾かれたように顔を上げ、入口に視線を向けた。
まさか、来ているのだろうか。
ヒロインが、ここに。
「クラウド!」
イリーナが飛び掛かりそうな勢いで立ち上がった。
そのせいで視界が一部遮られる。
レノは逸る気持ちを抑え、わずかに身体の位置を変え、入口周辺を見回した。
しかし、そこにヒロインの姿はなかった。
レノは安堵と落胆を同時に感じながら、そこから視線を外した。
ヒロインがいないなら、クラウドたちに用はない。
レノはグラスを持ち上げ、残っていた酒を飲み干した。
「何でタークスが、ここにいるんだ?」
「そっちこそ、こんなところに何の用!?」
レノが興味をなくした一方で、イリーナがクラウドと火花を散らしている。
イリーナは、今が休暇中だということをすっかり失念しているようだ。
レノとルードは、ほぼ同時に溜息をついた。
「――イリーナ、座れ」
ルードの言葉に、イリーナは大きく目を見開いた。
「え…でも――」
「今は休暇中だぞ、と」
二人で諭すと、イリーナは渋々席についた。
「――ふん。命拾いしたわね」
「お前らもな」
クラウドも負けじと、イリーナの言葉を鼻で笑い飛ばした。
それが更にイリーナの燃え盛る怒りに油を注ぐ。
イリーナは顔を真っ赤にして、クラウドを睨んだ。
しかし、クラウドはそれを歯牙にも掛けず、亀道楽を出て行った。
(余計なこと言いやがって…)
イリーナを煽ったクラウドに対して、レノは舌打ちをした。
怒りの矛先を失ったイリーナは、唇を真一文字に固く結んでいた。
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凍り付いていた店内の空気が、わずかばかり緩んだ。
「…何でこんなところにいるんだ?」
知っている声だった。
レノは弾かれたように顔を上げ、入口に視線を向けた。
まさか、来ているのだろうか。
ヒロインが、ここに。
「クラウド!」
イリーナが飛び掛かりそうな勢いで立ち上がった。
そのせいで視界が一部遮られる。
レノは逸る気持ちを抑え、わずかに身体の位置を変え、入口周辺を見回した。
しかし、そこにヒロインの姿はなかった。
レノは安堵と落胆を同時に感じながら、そこから視線を外した。
ヒロインがいないなら、クラウドたちに用はない。
レノはグラスを持ち上げ、残っていた酒を飲み干した。
「何でタークスが、ここにいるんだ?」
「そっちこそ、こんなところに何の用!?」
レノが興味をなくした一方で、イリーナがクラウドと火花を散らしている。
イリーナは、今が休暇中だということをすっかり失念しているようだ。
レノとルードは、ほぼ同時に溜息をついた。
「――イリーナ、座れ」
ルードの言葉に、イリーナは大きく目を見開いた。
「え…でも――」
「今は休暇中だぞ、と」
二人で諭すと、イリーナは渋々席についた。
「――ふん。命拾いしたわね」
「お前らもな」
クラウドも負けじと、イリーナの言葉を鼻で笑い飛ばした。
それが更にイリーナの燃え盛る怒りに油を注ぐ。
イリーナは顔を真っ赤にして、クラウドを睨んだ。
しかし、クラウドはそれを歯牙にも掛けず、亀道楽を出て行った。
(余計なこと言いやがって…)
イリーナを煽ったクラウドに対して、レノは舌打ちをした。
怒りの矛先を失ったイリーナは、唇を真一文字に固く結んでいた。
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